ギャンブル依存症回復へ周囲が理解を 長崎県庁でシンポ

ギャンブル依存症への向き合い方について意見が交わされたシンポジウム=長崎県庁

 ギャンブル依存症についてのシンポジウムが18日、長崎県庁であり、依存症からの立ち直りを支援する団体関係者らは「依存症は自分の意志でコントロールできない病気だが、治療で回復できる」などと訴え、周囲の人たちの理解を求めた。

 薬物依存症などのリハビリ施設「長崎ダルク」(長崎市)の中川賀雅(よしまさ)代表ら5人が登壇。中川代表は「まずは自分自身を取り戻すことが大事。依存症者の多くは人を信じる力が弱く、孤立している。周囲ができることは関わり続けることだ」と話した。

 各種依存症患者を治療する松元リカバリークリニック(同)の松元志朗院長は、佐世保市が統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指している動きにも触れ、「カジノと依存症は必ずしも直結しないかもしれないが、誘致を機に身近な問題として社会全体で啓発や回復に取り組んでいくべきだ」と述べた。

 シンポジウムは長崎県が主催。市民ら約160人が参加した。

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