白血病で長男亡くした金高さんが手記出版

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白血病で亡くした長男の闘病生活などを記した本「尚矢の笑顔がくれたもの」を出版した金高裕之さん(右)と美和さん=唐津市

 白血病で長男を亡くした唐津市の金高裕之さん(55)と美和さん(54)が、手記「尚矢の笑顔がくれたもの」を出版した。12歳の若さで亡くなった息子の闘病生活や最期の瞬間、周囲の支えへの感謝を親の目線でつづっている。「息子を通じて命の尊さを感じてほしい」という2人の願いがこもっている。

 尚矢さんは2013年、長松小5年のときに白血病の診断を受けた。骨髄移植などの治療を受けたが、15年に亡くなった。19日でちょうど5回忌を迎える。

 本は父裕之さんが、医師の説明や息子の検査結果を記録したノートを基に記した。「文章にしようとするたびに記憶がよみがえり、筆が進まなかった」。文中では「今日も下痢が続く。しゃべるのもきつい様子」「熱が38.8度まで上がった。早くよくなってほしい」といった当時の様子が日付とともに並ぶ。

 本の冒頭には「父親である私は、頑張っている尚矢に男親である立場上、これまで『頑張れ、頑張れ』と繰り返し言うだけだった」と書いてある。裕之さんは「頑張っているのは分かっていたが、ほかに掛ける言葉がなかった。もっと違う接し方があったのかもしれない」と今も自問しているという。

 2人は「本は尚矢の生きた証し。強い気持ちで目標に向かう大切さ、周囲のサポートがあったから頑張れたことを伝えられれば」と話した。

 1080円(税込み)。唐津市内の書店などで購入できる。