パンダ焼き、愛された30年 熊本市・健軍商店街「ニュー若草」 惜しまれつつ閉店へ

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名物「パンダ焼き」を手にする社長の米岡穂積さん(右)と店員の郷陽子さん=11日、熊本市東区

 パンダをかたどった焼き菓子「パンダ焼き」で有名な健軍商店街(熊本市東区)の和菓子店「ニュー若草」が、5月末で閉店する。長年愛されてきた菓子を買い求める人が連日店を訪れており、社長の米岡穂積さん(79)は「遠方から来てくれる人もいて、本当にありがたい」と感謝している。

 製粉業を営んでいた米岡さんが、この商店街に菓子店を構えたのは50年前。丁寧に引いた粉を顧客に卸すうち、「自分でも作ってみよう」と思い立ったという。

 近くの熊本市動植物園にパンダの誘致話が盛り上がっていた1990年、米岡さんはいち早く、パンダ焼きを考案。特注の機械を使い、小麦粉の生地にあんを挟み、ふんわりと焼き上げた。

 当初は、白あんと黒あんの菓子を別々で売っていたが、「せっかくだからパンダらしく…」と一緒に入れてみたところ、人気が急上昇した。残念ながら、本物のパンダが動物園にやってくることはなかったが、店だけではなく商店街の名物として定着。最盛期には1日400~500個が飛ぶように売れたという。

 パンダ焼きを売り始めた当時から勤め続けている郷陽子さん(67)は「社長は新商品開発が得意で、次々と新しいアイデアお菓子を生み出してきたけど、これはずっと変わらない看板商品」と笑顔を見せた。

 米岡さんは数年前に車の運転免許を返納した。そのため益城町の自宅から店までの行き来が難しくなったこともあり閉店を決断したが、「店を閉めるのは今でも少し寂しい」とも。閉店を惜しむファンの声があまりにも多いため、自宅横の製菓工場での不定期営業も検討しているという。(國崎千晶)

(2019年5月19日付 熊本日日新聞朝刊掲載)