全日本F3選手権第5戦:フェネストラズが大湯とのマッチレースを制し3連勝。大津が復帰後初表彰台

 全日本F3選手権第5戦は5月19日、大分県日田市のオートポリスで21周の決勝レースが行われ、スタート直前に雨が降り出すスリッピーなレースをサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)が制し、オートポリス戦を完全制覇した。2位は大湯都史樹(TODA FIGHTEX)、3位は大津弘樹(ThreeBond F319)となった。

 5月19日の第3戦、20日午前の第4戦と、この週末のレースは2戦ともウエットコンディションで争われていた全日本F3選手権の第2ラウンド。直前の全日本スーパーフォーミュラ選手権からコースコンディションはドライに転じたが、スーパーフォーミュラの表彰式中にコースインし、16時15分にフォーメーションラップが始まった第5戦のグリッドでは、ふたたび雨が降りはじめた。直前の雨によりほんのりと濡れはじめたコンディションの下、作業可能時間を過ぎた後の雨だったこともあり、ほとんどがスリックのままスタートが切られることになった。

 第3戦の結果でグリッドが決まるため、ポールポジションはサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)となった第5戦。迎えたスタートでは、フェネストラズがわずかに遅れる一方、好スタートを決めたのは第4戦後「スタンディングスタートで戦いたい」と語っていた2番手スタートの大湯都史樹(TODA FIGHTEX)。また3番手スタートでのエナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)も好スタートを決めるが、1〜3コーナーまでの攻防で大湯、フェネストラズ、アーメドという順位に変化した。

 しかし3番手につけていたアーメドは、コースイン時にホワイトラインカットをしたとして、ドライブスルーペナルティが科される。ただアーメドはそのままドライブスルーペナルティを消化しないまま黒旗が提示されることになり、6周を終えピットに戻った。

 一方、降り続く雨は少しずつ路面を濡らし続けており、だんだんとスリックでの走行が厳しくなり始めた。いち早くピットに戻りレインタイヤを履いたのは、6番手につけていた河野駿佑(RS FINE K&N F318)。ただ、その後雨脚が弱まったためかスリック勢のタイムは落ちず、レインへ交換したマシンたちはラップダウンになってしまった。

 そんななか、トップの大湯は一時フェネストラズとのギャップを築いていたものの、レース中盤に少しずつフェネストラズが間隔を詰め始めた。セクター3が速いフェネストラズは16周目、スリップストリームからアウトにマシンを振ると、粘りの走りをみせていた大湯をオーバーテイク。これでフェネストラズがトップに浮上した。

 トップに立ったフェネストラズは、終盤大湯とのファステストラップ争いも制し、21周を走り抜き3連勝。オートポリスラウンドでのフルポイントをマークし、ランキングでも優位に立った。3戦連続の2位は大湯で、「悔しいですね」と初勝利はならず。3位には4台の戦いを勝ち抜いた大津が入り全日本F3選手権復帰後初の表彰台となった。

 4位争いは混戦となったが、21周目のターン1で小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM’S F317)がややアウトにはらみ、その間隙を突いた片山義章(YTB by Carlin)が4位フィニッシュ。小高が5位、この週末かみ合わないレースウイークとなった宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S F314)が6位で1ポイントを持ち帰ることになった。

全日本F3選手権第5戦オートポリスのスタートシーン
序盤トップに立ち、16周に渡ってフェネストラズを先行した大湯都史樹
序盤の3番手争い。大津弘樹、小高一斗、片山義章らの争いとなった。
全日本F3選手権第5戦の表彰台
復帰後初表彰台を獲得した大津弘樹(ThreeBond F319)

全日本F3選手権第5戦オートポリス 決勝結果

Pos. No. MC Driver Car Name Car Laps Grid

1 11

サッシャ・フェネストラズ B-Max Racing with motopark F3 F314/スピース 21 1

2 2

大湯都史樹 TODA FIGHTEX F319/トダ 21 2

3 12

大津弘樹 ThreeBond F318 F318/スリーボンド東名 21 5

4 8

片山義章 YTB by Carlin F315/スピース 21 9

5 37

小高一斗 カローラ中京 Kuo TOM’S F317 F317/トヨタ-トムス 21 7

6 36

宮田莉朋 カローラ中京 Kuo TOM’S F317 F317/トヨタ-トムス 21 8

7 7

シャルル・ミレッシ YTB by Carlin F317/スピース 20 6

8 35

河野駿佑 RS FINE K&N F318 F318/HWA 20 4

9 51

アメヤ・ベイディアナサン B-Max Racing with motopark F3 F315/スピース 19 10

10 13

三浦愛 ThreeBond F314 F314/スリーボンド東名 19 12

11 28 M 山口大陸 タイロクレーシング28号 F315/スピース 19 11

R 5 M 久保田克昭 Planex・スマカメ F3 F315/トヨタ-トムス 7 14

R 30 M DRAGON TEAM DRAGON F3 F314/スピース DNS 13

失格 65

エナム・アーメド B-Max Racing with motopark F3 F312/スピース 14 3

ファステストラップ:サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3) 1’46.214(20/21)
ペナルティ:
No.7は、2019全日本フォーミュラ3統一規則 第21条1.違反(ピット作業人数の超過)により、ドライビングスルーペナルティを科したが、レース終了のため、不履行により競技結果(38’11.496)に対して30秒ペナルティを科す。
No.65は、国際モータースポーツ競技規則付則L項 第4章 第5条(ピット出口のホワイトラインカット)違反により、ドライビングスルーペナルティを科したが、全日本フォーミュラ3統一規則 第15条9.を適用し失格とする。

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