ミューザ川崎、10月に15周年記念公演開催

開館10周年記念で行われた公演の様子。「グレの歌」のオーケストラはさらに大編成になる見込み=2014年12月7日、川崎市幸区のミューザ川崎シンフォニーホール(青柳聡さん撮影)

 ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)は10月5、6日、開館15周年を記念した公演を開催する。演目はシェーンベルク作曲の大作「グレの歌」。デンマークの伝説を基にしたストーリー仕立ての作品で、総勢約400人が歌と演奏で後期ロマン派の壮大な物語を届ける。

 12世紀のヴァルデマール王が少女に恋をし、居を構えるグレの城に呼び寄せるが、嫉妬深い王妃に毒殺されてしまうストーリー。その悲しみで狂気に陥った王は神を呪い、その罰により亡霊となって少女の魂を求めてさまよう。

 シェーンベルクはこの曲のために53段譜を特注しており、通常2本のフルートが8本になるなど大編成になる点が特徴。ジョナサン・ノットさんが指揮を執り、フランチャイズオーケストラの東京交響楽団が奏でる。語りは世界的歌手のサー・トーマス・アレンさんが担当。トルステン・ケールさん(テノール)やドロテア・レシュマンさん(ソプラノ)ら世界で活躍する歌手が独唱者として出演する。

 同ホールでは、こけら落としや5周年、10周年の節目で、いずれもマーラー作曲の交響曲第8番「千人の交響曲」を披露してきた。15周年を迎えた今年は6月末までの日程で大規模改修を実施。5億円を投じてスピーカーなどの機材を入れ替えるほか、パイプオルガンも整備し直す。新調されたホールで、壮大なスペクタクルに初めて挑む。

 開演は午後3時。チケットは5千~1万2千円で、5月23日にウェブで先行販売を開始。一般販売は同30日から。問い合わせは、同ホール電話044(520)0100。

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