【フィギュアスケート】ラストイヤーの鈴木、新プログラムを披露/第42回リリーカップカナガワ

第42回リリーカップカナガワがKOSE新横浜スケートセンターで開催された。4月14日の選手権女子には、慶大から3名が出場。鈴木星佳(総4・湘南藤沢)、小堀瑛美(環3・千葉県立千葉)、花城桜子(法3・那覇国際)が演技を披露した。

4月14日(日) 第42回リリーカップカナガワ
@KOSE新横浜スケートセンター

選手権女子	小堀瑛美	環3・千葉県立千葉	73.81点	7位
鈴木星佳	総3・慶應湘南藤沢	71.55点	9位
花城桜子	法3・那覇国際	47.56点	18位

ジャンプの安定感が増した小堀

選手権女子で最初に登場したのは小堀瑛美(環3・千葉県立千葉)。このリリーカップを「チャレンジできる試合」と位置づけて試合に臨んだ。演技冒頭、トリプルトゥループ、ダブルトゥループのコンビネーションジャンプを着氷すると、続くトリプルサルコウもしっかりと決める。練習中のジャンプであるというトリプルループでは転倒があったものの、疲れが出る演技後半でコンビネーションジャンプを成功させるなど、攻めの構成を見事に滑りきった。本人も「失敗を引きずらなかったのが良かった」と演技を振り返ったように、ミスを最小限にとどめた。今年のフリープログラムは去年から継続の「レ・ミゼラブル」。ジャンプの安定感も上がり、同じプログラムながらも確かな成長を感じさせる演技で今大会を終えた。

情感たっぷりに演技する鈴木

続いて登場したのは、鈴木星佳(総4・慶應湘南藤沢)。ラストシーズンを共にするプログラムは大河ドラマ篤姫のサウンドトラックだ。力強い音楽から演技が始まる。冒頭のトリプルサルコウは途中で回転が開けて回転不足の判定。続くジャンプもなかなか決まらない。しかし、「思い切りやるしかない」という気持ちで挑んだ後半のダブルアクセル、トリプルサルコウは綺麗に着氷。演技終盤のステップでは壮大な音楽に乗せて、情感豊かに演じ切った。このプログラムは、鈴木自身のスケート人生をストーリーに仕立てにしている。人一倍強い思いを持って挑む今シーズン、どのような演技を見せてくれるか楽しみだ。

指先まで行き届いた演技をする花城

慶大勢最後に登場したのは、花城桜子(法3・那覇国際)。新しいフリープログラは今までとは違ったジャンルの曲、映画ムーランルージュだ。冒頭、ダブルアクセルに挑むが回転不足判定に。続くコンビネーションジャンプは転倒になってしまったりと、思うようにジャンプが決まらない。しかし、壮大なヴォーカル曲に合わせたステップ、さらに花城が見所と話してくれたスパイラルでプログラムの世界観を表現する。演技開始直前、名前をアナウンスされた後に機械トラブルがあり、スムーズに演技を始められなかった。インタビューで「(自分にとって)マイナスではなかった」と話してくれ、精神面での成長もうかがえた。演技後、花城は「伸び代しかない」と次を見据えていた。

(記事、写真:相川環、高井真衣)

※掲載が遅くなり申し訳ございません。

以下、選手コメント

小堀瑛美(環3・千葉県千葉)

ーー今日の演技を振り返って
自分が思ったよりも落ち着いてできたのが良かったと思っていて、特に良かったのは転んだ後に次のジャンプが降りれたというところで、去年までは失敗を引きずってしまっていたので、そこは少し成長したかなと思います。ーー新しいプログラムを作る予定はありますか
このプログラムが結構好きなので今年も続けてもう少し良くしていきたいと思います。

ーートリプルループを新たに組み込むなど去年から構成を変えていましたが
私大戦とリリーカップは何かの予選の試合ではないので、チャレンジできる試合だなと思ってて、今練習中のジャンプを入れて攻めた構成でいこうと思っていました。これからの構成をどうするかはまだ分からないです。

ーージャンプの安定感が増したように見えました
自分でも前より安定したというか、回転不足が課題だったんですけどだんだん回転不足なく降りれるようになってきたので、それが少しずつ自信になっているかなと思います。

ーー次の関東学生フィギュアスケート選手権に向けて意気込みをお願いします
ショートプログラムは新しいプログラムなので、全然まだ練習していないんですけどあと1ヶ月くらいしっかり練習をしていい演技が出来るように頑張ります。

鈴木星佳(総4・湘南藤沢)

ーー今日の演技を振り返って
最初はやはり、最後のリリーだから上手く滑べりたいという気持ちがありました。そして最近結構調子がよかったので、調子が上がってきてた分、降りたいっていう気持ちが強すぎて、空回りしてしまった感じです

ーー後半持ち直したが、そこまでの気持ちはどうだったか
先生には、今回の試合はみんなより全然練習できていない分、思い切りやれと言われていたので、思い切りやるしかないと思って跳んだらだんだん噛み合ってきて、上手くいった感じです。

ーー選曲の理由
まずは感動する曲にしたくて、探していました。始めは違う予定だったんですけど、メロディーがすごく好きだったのと、篤姫が強くて自分の道を歩くという女性像が大河ドラマの中で描かれていたので、自分もそういう風に最後の一年を自分らしく滑り切りたいと思って、この曲にしました。

ーー元々考えていた曲は?
アメイジンググレースの映画のサウンドトラックを繋ごうと思ってたんですが、いまいち上手く繋がらなくて。ずっとそれにしようと思ってたんですが、一から考えました。

ーープログラムの見所
全体を通してストーリーを感じてくれたら嬉しいなと思います。最初は「まっしぐら」という曲なんですが、今までのいろんな経験をしてきた中で、17年間続けてきたんだという自分の強い気持ちを表しています。途中の曲調が変わるところからは、今まで自分がやってきたことを周りに感謝しながら滑ろうという気持ちで滑ってます。なので、強い気持ちで自分のスケート人生歩いてきたところから、周りに感謝するところまでのストーリーを感じてくれたら嬉しいなと思います。

ーーラストシーズンの目標
1月のインカレと国体で、フリー良い演技をして滑ることです。去年はインカレまでは行けて、今年はショート通過できなかったところから通過できたところまでは行って、フリーではすごく悔しい思いをしたので、フリーで集大成を見せれるような演技をしたいです。

ーー次の試合に向けて
関カレでは、ショート変えてすぐの初戦なので、ジャンプの成功失敗を考えずに、曲全体を表現することに特に意識を向けて滑りたいと思います。

花城桜子(法2・那覇国際)

ーー今日の演技を振り返って
伸び代しかないという感じです。普段よりはあまり緊張せずにまわりを見ながら演技できたのはよかったのかなと思います。

ーー音響トラブルがあったが演技や気持ちに影響したか
ちょっとびっくりしました。自分の中ではちょっと時間伸びて嬉しいなじゃないけど、マイナスにはならなかったです。

ーー選曲の理由
今までジャズの曲が続いていたんですけど、違うジャンルに挑戦してみたいなと思っていました。曲選びに悩んでいたんですが、去年の日大の卒業生の佐藤弥桜さんという7級の方が使っているのを見て、とても素敵だなと思って、私もあのような偉大な曲に挑戦できたらなと思って選びました。

ーープログラムの見所
1番は4分だから入っているコレオシークエンスです。それ以外でも前半と後半で曲調が違うので、そこを上手く踊り分けてしっかり滑っていけたらいいなと思っていて、そこが見所になるようにこれから頑張りたいと思っています。

ーー次の試合に向けて
次はおそらく関カレになるのですが、まずは演技全体がすごい止まりそうなくらいゆっくりだったのと、まだ作り始めてあまり日が経ってないので、滑り込めてなかったです。まずはスケーティングを重要視して伸ばしていきたいなと思います。

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