「眠れない」 沖縄・屋台村の騒音や汚臭 周辺住民から苦情 那覇市、管理会社と対策も…

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外席で飲み食いができる国際通り屋台村=8日、那覇市牧志

 沖縄県那覇市牧志の「国際通り屋台村」の周辺住民から、客の声がうるさいとの苦情が寄せられている。市によると同地域は商業地域で、客の声がうるさいという騒音トラブルはこれまでに例がない。市は昨年と今年の計2回、住民側と屋台村の管理会社が話し合う場を設けたが抜本的な解決には至っていない。専門家は「住居空間と商業エリアの住み分けや建物構造の対策がされていない」とし、「根本的な解決には市街地の再整備が必要」と指摘している。(社会部・比嘉太一、西倉悟朗)

 屋台村は2015年6月、国際通り近くの映画館跡地にオープン。現在は21店舗が入居し、屋台スタイルで外で酒を楽しむ場として観光客にも人気だ。周辺住民から騒音について苦情が寄せられるようになったのは17年8月ごろ。この頃、屋台村で開催された音楽ライブなどのイベントで拡声器が使用されていた。

 近くに住む40代の女性は「以前は拡声器の音がひどかった。今は客の声もうるさくて夜も眠れない」と顔をしかめる。同じく13年住む50代の女性は「うるさくて夜は窓が開けられない。屋台村ができて生活環境が悪化したのは確か」と嘆いた。住民らは30人以上で構成する団体「地域環境を守る牧志住民の会」を立ち上げ、市に騒音への対応を求めている。

 これに対し屋台村の管理会社は「スピーカーを使うイベント開催の自粛などを店舗側に指導した」と説明する。入居店舗で構成する「村民会」は、客に対して大声を出さないよう呼び掛けたり、午前0時前には外席の客は離席を促すなどの措置を取っているという。今後は警備員の配置も検討しているとし、ある店主は「住民に配慮しながら営業していきたい」と話した。 屋台村がある地域は元々市の「商業地域」に指定され飲食店や小売業の店舗が集まる。市環境保全課によると騒音規制法や市の公害防止条例は、客の声から発生する騒音は対象外で「苦情を受けた場合は、管理会社に連絡して入居店舗に指導を促すなどの対応をするしかない」と説明した。

 安く飲食を提供する「せんべろ」ブームで近年、屋台形式の飲食店が県内で広がっている。都市計画に詳しい琉球大学の池田孝之名誉教授は「飲み屋街が自然発生的に拡大し、多くの場合、住居などとの住み分けがされていない」と問題を指摘。「事業者と住民の間で騒音や汚臭対策についてのルール決めをすることが必要で、自治体の役割も重要だ」と説明した。

敷地内で立ち小便 悪臭

 屋台村周辺では夜間に酔客の立ち小便が頻発し問題となっている。周辺の住宅敷地内ではゴールデンウイーク期間中の2日、立ち小便する男性の姿7人が防犯カメラで確認された。別の日には男性が大便する様子も撮影されていた。住民は「悪臭に迷惑している」と頭を抱える。 

 同地域は屋台村のほかにも居酒屋などが多く、酔客がどの店の利用者かは分かっていない。屋台村は客に注意を呼び掛けるほか、他の飲食店の客にも同村内のトイレの使用を認めているという。

 酔客の立ち小便については16年、那覇市の第一牧志公設市場周辺でも問題になった。同市なはまち振興課は、トイレの提供に報奨金が支払われる「トイレ等提供店舗支援事業」を利用しトイレ整備を進めた事例もあると説明。「周辺の飲食店や通り会全体での取り組みが必要」と強調した。