中央競馬担う人材育成 騎手目指し厳しく自己管理 千葉・白井の競馬学校

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中央競馬の騎手や厩務員を目指す若者が、日々訓練を重ねている=白井市の日本中央競馬会競馬学校

 日本中央競馬会競馬学校(白井市根)は、日本ダービー(GI、東京競馬場)や有馬記念(同、中山競馬場)など、国内外のビッグレースで活躍する名騎手を多数輩出している。毎年、狭き門をくぐり抜けた若者が恵まれた施設で教官の指導を受けながら日々、技術と知識を磨く。中央競馬の明日を担う人材を育成する競馬学校の一日を紹介する。

 競馬学校によると、騎手課程は3年間。生徒は寮で生活しながら馬術の基礎訓練からレース騎乗へ向けた実践的訓練まで学び、騎手免許試験合格を目指す。入学は狭き門で、受験生115人のうち合格した9人が、38期生として4月に入学した。過去には700人ほどが受験し合格は10人前後といった年もあった。

騎乗訓練の準備をする騎手課程の生徒

 生徒の一日は午前5時半から始まり、6時までに検量、清掃などを行う。検量は体重測定のことで毎朝、職員が立ち会い計測する。生徒の卒業時の体重は48キロ以下になるよう、毎日厳しい自己管理が求められるという。生徒は食事や運動による変化を把握するため自主的に計測も行う。これらの努力を寮監や管理栄養士らがサポートする。

 7時半からは騎乗訓練。乗馬と走路訓練があり、最初の4カ月は乗馬訓練のみで5カ月目からは走路訓練が加わる。外走路や内走路を使って、正しい騎乗姿勢や扶助操作(馬のコントロール)を身に付けていく。また、1ハロン(200メートル)ごとに指示された秒数で走りタイム感覚も養う。訓練中の生徒に対して、教官が無線を通じて細かく指導する。

 基礎課程から実践課程に進むと、栗東(滋賀県)や美浦(茨城県)のトレーニング・センターで競馬全体について学ぶ。帰校後も免許試験合格に向けて訓練が続く。卒業後は、どちらかのトレーニング・センターに所属し、調教師の下で騎手デビューの日を待つ。「学校の3年間は騎手として最低ラインに到達しただけ」と厳しく評価する担当教官だが「レースで早く1勝してほしい」と生徒の成長を期待する。

毎朝検量が行われ、職員が立ち会い生徒の体重を測定する

 学科やトレーニング、飼馬を与えたり馬房を掃除するなどの厩舎作業もあり、消灯は午後10時。夏季時間(7月中旬~8月下旬)は午前4時から一日が始まり、消灯は午後9時。

 武豊騎手(3期生)や蛯名正義騎手(同)、福永祐一騎手(12期生)は、競馬ファンならずとも知る著名な存在だ。また、中央競馬で通算7人目の女性ジョッキーとしてデビューした藤田菜七子騎手(32期生)も話題。藤田騎手の活躍は生徒の励みにつながり女性の受験者増が期待でき、教官側にとっても女性騎手を育てる勉強になるという。藤田騎手はプロ野球の試合で始球式を行うなど、競馬以外でも人気だ。

 厩務員課程も全寮制。6カ月の短期集中で馬の飼養管理や競馬に関する法規、調教に必要な騎乗技術などを学ぶ。

◇文・写真 習志野支局 坂巻洋一

◇一口メモ 競走馬の輸入検疫も

 競馬学校は1982年、日本中央競馬会本部の附属機関として設立された。約26万3千平方メートルの広大な敷地には、外走路(延長1400メートル、幅員17メートル)、内走路(同1317メートル、同10メートル)、障害馬場(同1200メートル、同10メートル)などがある。

 25棟ある厩舎のうち18棟は国際厩舎。競馬学校は農林水産省の特別検疫指定機関で、中央競馬の国際交流競走に出走する外国馬や、海外遠征から帰った日本馬の輸入検疫を行っており、国際厩舎が使用されている。

 このほか馬診療所や、騎手課程、厩務員課程それぞれの寮などがあり、馬を中心として教育に必要なさまざまな施設がそろう。