復興に最後まで関わる 熊本地震で釧路市から派遣され熊本市正職員に 48歳、「喜びと責任感じる」 

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熊本市消防局の増設工事の進み具合を確認する熊本市職員の宮古睦さん(左)。今年4月、正職員に採用された=熊本市中央区

 北海道釧路市の職員から熊本市の任期付き職員となった宮古睦[むつみ]さん(48)が今年4月から正職員になり、引き続き熊本地震からの復興を担っている。家族を呼び寄せ、生活も充実。「最後まで復興に関わることができる喜びと責任を感じる」と決意を新たにまい進している。

 宮古さんは地震から半年後の2016年10月、釧路市からの応援職員として熊本市に派遣され、被災家屋の応急修理の窓口業務を担当した。

 派遣期間は約2カ月。修理を見届けないまま期限を迎えたことが心残りだった。「東日本大震災でも宮城に派遣され、復興半ばで釧路に帰った。熊本には最後まで関わりたい」。18年3月に25年勤めた釧路市役所を退職し、翌月から2年の任期で熊本市職員となった。

 宮古さんの思いを知った上司や同僚は「2年で任期が切れるのは残念」として、社会人経験者枠で正職員を目指すことを勧めた。11年度に設けられた採用制度で、59歳まで受験できる。宮古さんは「正職員になれば、釧路の家族を安心して熊本に呼べる」と受験を決意。営繕課の仕事をしながら筆記試験の勉強を毎日1~2時間続け、18年8月、18倍近い難関を突破し、採用が決まった。

 4月に配属された設備課では主に、市の施設の給排水や空調の管理を担当。災害公営住宅や、大災害時には災害対策本部の代替施設になる市消防局の増設工事にも携わっており、「市民の命を守る重要な役割」と気を引き締める。

 昨年1年間過ごした熊本の印象は「復興は道半ば」。「今なお手が付けられていない被災施設がある。建物が解体された後の更地も目につく。我慢しながら日々を送っている市民もいるのでは」と気遣う。

 3月には妻志穂さん(46)と次女で中学1年の紗寧[すずね]さんも熊本市に移住。南区に一軒家を借り、新たな生活が始まった。「暑さには驚いたけど、熊本は食べ物が安くておいしいし、家族も熊本を気に入ってくれた。釧路から届いた車で足を延ばし、熊本の歴史を学びたい」。復興を後押しする新たな戦力が、また一人加わった。(都市圏部・高橋俊啓)

(2019年5月18日付 熊本日日新聞朝刊掲載)