警戒レベル1カ月は継続 箱根山活動で気象庁

通行止めとなっている県道三差路から大涌谷へ向かう関係業者の車両=20日午前8時55分ごろ、箱根町

 箱根山(箱根町)の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられたことについて、気象庁は20日、少なくとも今後1カ月は同レベルが続くとの見通しを明らかにした。県は国や町など関係機関でつくる箱根山火山防災協議会の会合を県庁で開き、引き続き連携して観測・監視に当たるとともに警戒態勢を当面維持する方針を確認した。

 会合で気象庁の担当者は、活発な火山活動が続いていることを踏まえ「最低1カ月程度は様子を見なければいけない」と説明。同庁が定める判定基準に基づいて警戒レベルを1(活火山であることに留意)に引き下げる場合でも、今後少なくとも1カ月は推移を見守る必要があるとの認識を示した。

 箱根山の場合、地震活動が活発化する前の状態(1カ月で10回未満が目安)に戻り、地殻変動データの変化がほぼ停滞することが基準とされている。

 同協議会には、県温泉地学研究所や地元の観光関連団体なども出席。19日未明に警戒レベルが1から2に引き上げられた後の対応を確認するとともに、今後の取り組みなどについての情報を共有した。

 会合後、黒岩祐治知事は「(箱根山の警戒レベルが2に引き上げられた)4年前の経験に基づいて国とも連携し、人的被害ゼロを達成するために全力を挙げる」と強調。菅義偉官房長官(衆院2区)は首相官邸での記者会見で「旅行者の安全確保を最重要とし、国内外への正確な情報発信に努め、観光関連産業に影響が出ないようしっかり対応したい」と述べた。

 町は20日午前、規制区域内の業者らの一時的な立ち入りを許可した。21事業者が食品の在庫回収や温泉供給設備のメンテナンスなどを行った。

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