伊勢原の新銘菓誕生 地元産生乳と茶葉使用、大山イメージ

カットした断面も大山のシルエットをイメージした「大山阿夫利246・生乳茶菓」

 伊勢原に新名物をつくろうと市内外の3事業者が手を組み、開発を続けてきた洋菓子が今春誕生した。地元産の生乳と茶葉を使ったあんを生地で包み、焼き上げた一品で、市内にある大山阿夫利(あふり)神社と国道246号から「大山阿夫利246・生乳茶菓(せいにゅうちゃか)」と名付けた。4月から販売が始まり、関係者は「新たな手土産になれば」と期待している。

 商品は、市内の生産者や飲食店経営者らが昨年7月に立ち上げた「伊勢原うまいもの遺産創造委員会」の第1弾。

 同委員会会長の柏木貞俊さんが専務取締役を務める柏木牧場(同市小稲葉)と、創業280余年の老舗茶舗「茶加藤」(同市伊勢原)、横浜銘菓「ハーバー」で知られる「ありあけ」(横浜市中区山下町)の3社が昨年10月ごろから試行錯誤を繰り返し、今年4月に完成させた。

 大山詣(まい)りの日本遺産認定を記念し、大山をイメージした形に。牧場で搾った生乳とパウダー状にした「丹沢大山茶」の茶葉をあんに練り込んだ。しっとりとした食感が特徴で、表面には大山阿夫利神社や参道を表す刻印を入れた。

 ありあけによると、江戸時代に年間20万人が現在の国道246号線に当たる大山道を通った歴史から「大山阿夫利246」と命名。売り上げの1%は、「日本遺産のまち伊勢原」の文化財の保護と保全、広報活動に向けて伊勢原市観光協会に寄付するという。

 4個入り594円(税込み)、8個入り1080円(同)で、先月24日から大山阿夫利神社内の喫茶施設「茶寮 石尊(せきそん)」やスーパー「Odakyu OX」、柏木牧場、茶加藤本店などで販売している。6月以降は県西部のスーパーなどでも取り扱いを予定する。

 ありあけの堀越隆宏社長は「柏木牧場の生乳と丹沢大山茶を使い、焼き菓子の製法を取り込んでオリジナルの味を作り上げた。味に徹底的にこだわった」と説明。柏木さんは「丹沢のお茶と生乳が見事なハーモニーを生んでいる。ぜひ、食べてみてほしい。第1弾を成功させ、第2弾を考えたい」と意気込む。

 同委員会をサポートしてきた行政の期待も大きい。高山松太郎市長は「伊勢原への愛着の結晶で、お土産にも最適。『大山詣り』や伊勢原について多くの人に知ってもらえると思う」と話している。

 問い合わせは、ありあけお客様相談室電話0120(421)900。

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