ニュル24時間:クラス連覇目指すスバル、ノートラブルで予選レース走破。「ここまでは順調」

 2019年のニュルブルクリンク24時間レースに参戦するスバルは5月18~19日、同サーキットで行われた6時間の予選レースに参戦。カルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人組88号車スバルWRX STIはトラブルフリーでレースを走りきり、総合34位、SP3Tクラストップでチェッカーを受けた。

 2018年大会で総合62位、SP3Tクラス1位でチェッカーを受け、5度目のクラス優勝を遂げたスバル。ただ決勝レースに至るまではトラブルも多く、昨年の予選レースは駆動系トラブルからリタイアを余儀なくされていた。

 クラス連覇に挑む2019年は、トラブルシューティングのほか、加速性向上を狙ったローギア化、シフトショック軽減のためのステップ比調整などを施したWRX STIを投じる。

 18日の予選は不安定な天候で、時おり雨も降るようなコンディション。88号車WRX STIは山内がチーム最速となる9分4秒508のタイムを記録してクラストップ、総合でも98台中41番手タイムを刻んでみせた。

 19日の決勝では、雨が上がっていたものの、参戦チームの多くがインターミディエイトタイヤをチョイスしてレースをスタート。88号車WRX STIもインターミディエイトを履き、バンダムのドライブでスタートを迎えた。

 しかし、路面は急速に乾いていったため、バンダムは早々にピットインしてスリックタイヤを装着。その後は安定したペースで周回を重ねると、第2スティントを担当するシュリックへバトンをつなぐ。

 そのシュリックからステアリングを引き継いだ山内は、データ収集を兼ねてハードタイヤで走行すると、続く井口はソフトタイヤで同じく摩耗データなどを収集。ここでチームベストの9分1秒597を記録してみせる。

 最終スティントはふたたびバンダムが担当して、ソフトタイヤで約30分周回。最終的に6時間のレースで38周を重ねると、総合34位、クラストップでチェッカーを受けた。

 チームの指揮を執る辰己英治総監督は「昨年うまくいかなかった点を改善し、国内テストで走行実績を重ねてきた甲斐がありました。クルマは速くなりましたし、ここまでは順調です」とコメントしている。

「しかし、まだ改善すべき課題をひとつ発見したので、これから対策を考えます。今回は、ノートラブルで6時間を走りましたが、24時間レースはこの4倍を走らないといけません」

「あとひと月の間にしっかり準備して24時間レースに備えたいと思います」

ニュル24時間の予選レースを戦った井口卓人

 ソフトタイヤでチームベストタイムを記録した井口は「ベストタイムは、たまたまコースが空いていただけだと思いますが、間違いなくこれまでのクルマと比べる楽にタイムが出るようになりました」とコメント。

 山内は「ハードタイヤを試しましたが、6月の暑いレースを考えればいいテストになったと思います。トラブルもなく気持ちよくレースができました」と予選レースをふり返っている。

 2019年のニュル24時間レース決勝は、6月22日の現地15時30分(日本時間22時30分)にスタートを迎える。

88号車スバルWRX STI
88号車スバルWRX STI
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