TOJ京都ステージ逃げ切り! 入部惜しくもステージ2位

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思わぬ快晴の京都ステージ

ジャージ着用者が選手たちの前に並ぶ。総合のグリーンジャージは昨日ステージ優勝を飾った岡(中央)
ホームチームであるマトリックスパワータグも前方に並んだ

2日目の京都ステージ、曇りのち雨予報が出ていたがスタート会場には青空がのぞいていた。非常に強い風が吹き荒び、雨雲を運ぶと予想されたが、むしろスタートからゴールまでの時間、雨雲を飛ばし、暑く感じるほどの晴天をもたらす風となった。堺での短いタイムトライアルを終えて、選手たちはロードレース初日に臨んだ。

京都ステージは、京田辺市内の普賢寺ふれあいの駅からスタートし、同志社大学を経由するセレモニアルライドを行い、けいはんなプラザ周回コースの16.8kmを6周する全105km。獲得標高は1836mだ。

周回コースに入り、最大8人の逃げグループ生成

2周目に入る逃げグループの選手たち
宇都宮ブリッツェンとともに日本ナショナルチームのメンバーが集団牽引に加わった

周回コースに突入し、2周目に入るまでの間にフィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が単独で抜け出し、後から安原大貴(マトリックスパワータグ)や入部正太朗(シマノレーシングチーム)、エイデン・トゥーべイ(チームブリッジレーン)、アドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)らがぱらぱらと合流。逃げは最大8名のグループとなった。

このコースの近くに住んでいるという入部は、「今日逃げることは1か月以上前から決めていました。例年のこのステージのパワーデータとかも見て、逃げても損はないなということが見えてきたので逃げました。(逃げが)捕まっても集団で越えられるように、余力を残しながら逃げるっていうのを前々から意識していました」と、前もって計画されたチャレンジを実行に移した。

一方集団では、前日にリーダージャージを獲得した岡篤志擁する宇都宮ブリッツェンがメインでコントロールを行い、逃げとのタイム差を2分前後に保つ。それでも途中落車などもあり、メイン集団も数を減らしていく。

逃げることを決めていた入部が積極的な走りを見せる
宇都宮ブリッツェンが集団をコントロール。人数を減らしていく

KOM争いはザッカンティ優勢

KOMポイントを重ねたザッカンティ(前から3番目)

京都ステージからは山岳ポイント(KOM)が設定される。3周目(43.4km地点)と5周目(77km地点)の2つにKOMポイントが設けられた。昨年のTOJでも逃げに乗り、山岳賞を狙う姿が見られた安原だったが、今回も狙いは山岳賞ジャージ。しかし、TOJ開幕直前までチームで行っていたスペイン遠征での疲れが抜け切っておらず、獲得ポイントは4ポイントに止まった。

二つのKOMを1位通過したザッカンティは、「山岳で僅差の争いをしたわけではなかったので、比較的スムーズにKOMポイントを取ることができた」と余裕を残した。4月のジロ・ディ・シチリアでの落車により鎖骨骨折をしていたザッカンティは、自身の山岳賞ジャージキープに関して、「今回のTOJでは、個人総合で中根(英登)選手に狙わせるという目的があるので、それが一番の優先事項。それ以外のところでチャンスがあれば狙いたい」とコメントした。

足並みの揃う逃げグループには、今年のツール・ド・ランカウイ覇者であるアルチョム・オヴェチキン(トレンガヌ・INC.・TSG・サイクリングチーム)も単独ブリッジで入り込んだが、5周目に入る前に逃げグループから脱落。逃げには、入部、安原、ザッカンティ、トゥーベイ、ギロネットの5人が残された。

逃げ切り確実。脚を残したトゥーベイ

ラスト2周、宇都宮ブリッツェンもペースで集団を引き続ける
最終周回でもタイム差は1分。総合でのタイム差を縮めるために協力するチームはおらず

集団もタイム差を徐々に縮め、ラスト2周を残して1分半ほどに。しかし、メイン集団は相変わらず宇都宮ブリッツェンの一本引き。協力して前を追おうとする有力チームは最後まで現れなかった。ラスト1周に入ったところで、タイム差が逆に1分55秒に広がった。

タイム差を見た入部は、「これ後ろ(メイン集団が追いつくのが)楽じゃないな」と逃げ切りを確信。逃げ切りでタイム差を稼ぐこととステージ優勝の二つが頭に浮かんだ。余力を残していた最後の周回でペースアップを図った。KOMの上りで入部、ザッカンティは逃げグループからさらに抜け出す。上りで少し遅れたトゥーベイが下りで追いつき、3人の逃げ切りが濃厚になった。

トゥーベイはスプリントに向けてほとんど二人の付き位置でこなし、うまく脚を溜めた。ラスト250m、トゥーベイが飛び出し、それに入部が張り付く。しかし、入部を横に並ばせることなくトゥーベイが一番でゴールラインを切った。

脚を残したトゥーベイ、ラスト250mで飛び出し優勝を飾った
メイン集団の頭をとったのは、NIPPOのイメリオ・チーマ

リーダージャージ逃した入部、次へ

ボーナスタイムによりリーダージャージを着用した​トゥーベイ。ポイント賞ジャージ、新人賞ジャージも獲得
ザッカンティが山岳賞のトップに。明日以降の逃げメンバーにも注目だ

トゥーベイは、「一緒に走っていた二人がとても強かった」と話し、「初来日でこのようなすばらしいレースで勝つことができて良かった」と喜びを語った。今回のステージ優勝でボーナスタイム10秒が与えられたことにより、リーダージャージもトゥーベイが獲得。明日以降のステージについて、「リーダージャージを着て走れることはうれしい。僕は出来るだけトップに留まりたいが、総合優勝というよりもステージ優勝を意識している。チームにはクライマーもいるので、総合はチームメイトに頑張ってもらえれば」と語った。

総合で2位の座につけた入部は、「ステージ優勝できなかったのは悔しいですけど、優勝していたらリーダージャージっていう意味では明日からのチームとしての負担も大きくなってしまうので、一歩引いたところで見られるっていう面ではいいことかなとポジティブに捉えて、しっかりとまたみんなで話し合ってできる限りのことをしていきたいです」と話した。

第2ステージ リザルト

第2ステージ順位

1位 エイデン・トゥーべイ(チームブリッジレーン) 2時間41分25秒
2位 入部正太朗(シマノレーシングチーム) +0秒
3位 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +2秒

個人総合時間賞(グリーンジャージ)

1位 エイデン・トゥーべイ(チームブリッジレーン) 2時間41分25秒
2位 入部正太朗(シマノレーシングチーム) +0秒
3位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +2秒

個人総合ポイント賞(ブルージャージ)

1位 エイデン・トゥーべイ(チームブリッジレーン) 33pt
2位 入部正太朗(シマノレーシングチーム) 21pt
3位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 21pt

個人総合山岳賞(レッドジャージ)

1位 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 10pt
2位 アドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングチーム) 4pt
3位 安原大貴(マトリックスパワータグ) 4pt

個人総合新人賞(ホワイトジャージ)

1位 エイデン・トゥーべイ(チームブリッジレーン)
2位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
3位 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)

チーム総合順位

1位 チームブリッジレーン
2位 チーム右京
3位 シマノレーシングチーム

text&photo:滝沢佳奈子

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