賞金1500万ドルのグローバル・ラーニングXプライズは2組が大賞を共同受賞

世界中の子供のための効果的でスケーラブルな学習ソフトウエアが評価される

ロサンゼルス--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 世界の重要課題の解決に向けた賞金付きコンテストの考案・運営の世界的リーダーであるXプライズは本日、賞金1500万ドルのグローバル・ラーニングXプライズの大賞の受賞者2組を発表しました。プラヤビスタのグーグル・スプルース・グース・ハンガーで行われた授賞式で、韓国および米国のキットキット・スクールと、ケニアおよび英国のワンビリオンが共同受賞したことが明らかにされました。授賞式ではイーロン・マスク氏を含む支援者や後援者が、5組の最終候補チームの努力を讃えました。

2014年に開始されたグローバル・ラーニングXプライズは、子供たちが15カ月以内に基本的な読み書き計算を自習できるようにするスケーラブルなソリューションを創造するよう、世界中のイノベーターに呼び掛けました。最終候補に選出された5組はそれぞれ100万ドルを受け取り、スワヒリで各自の教育技術ソリューションの実地テストを行い、タンザニアの170の村に暮らす約3000人の子供が参加しました。誰もがどこにいても、それぞれのコミュニティーで学習ソリューションを繰り返し使用し、改善して、導入できるように、最終候補5組のソフトウエアはすべてオープンソース化されています。現在5つの学習プログラムはすべて、GitHubでスワヒリ語と英語で提供されており、その他の言語にローカライズする方法も含まれています。

コンテストは、実地テストで読み書き計算の能力を最も向上させたソリューションを開発したチームに、賞金1000万ドルの大賞を提供することになっていました。独立審査員団が実地テストのデータを検討した結果、上位2組の成果に違いはないという結論に達し、大賞を受賞する2組が賞金を均等に分割して、それぞれ500万ドルを受け取ることを決定しました。

  • キットキット・スクール(米国バークレー、韓国ソウル)は、子供が知識、能力、環境に関係なく、独自に学習できるようにすることを目的としたゲームベースの中核的で柔軟な学習アーキテクチャーを備えた学習プログラムを開発しました。
  • ワンビリオン(英国ロンドン、ケニア・ナイロビ)は、計算コンテンツに新たな識字教材を組み合わせ、直接学習や創作活動を実施し、子供たちの異なるニーズに対応するために継続的な監視も行いました。

現在、世界の2億5000万人以上の子供が読み書きできないほか、ユネスコ統計局によると子供の約5人に1人が就学できず、この数値は過去5年間ほとんど変わっていません。また小・中学校の教師が大幅に不足していることが問題をさらに深刻化しており、すべての子供に初等・中等教育を提供するには、2030年までに6880万人の教師を採用する必要があることが、調査で明らかになっています。

グローバル・ラーニングXプライズの実地テストに参加するまで、一度も学校に通ったことがない子供は74%、自宅で読み聞かせをしてもらったことがない子供は80%、スワヒリ語を1語も読めない子供は90%以上でした。しかし、最終候補5組の学習プログラムの1つをプリロードした、グーグル寄贈のピクセルCタブレットで15カ月間にわたり学習した結果、その数は半減しました。さらに5つのソフトウエアはすべて、男女両方の子供の計算力向上に等しく効果的でした。

最終候補5組はコンテストの期間中、ソフトウエアの研究開発および試験に約2億ドルを投資しました。コンテストに登録した全198チームを含めた場合、総額は約3億ドルに上ります。

Xプライズ最高経営責任者(CEO)のアニューシャ・アンサリは、次のように述べています。「教育は基本的人権であるため、あらゆる子供が学習機会を確実に手にいられるように奮闘したすべてチームの献身的努力を大変誇りに思います。読み書きの学習と基本的な計算ができるということは、貧困や制約から解放されて自由に生きるために不可欠な基礎的要素です。このコンテストは、各チームが開発した教育アプリケーションによって学習を加速できることを明確に示しました。最終的にはこの取り組みによって、世界で教育革命が促進されることを願っています。」

大賞受賞者と次の最終候補チームが、40カ国の198チームの中から選ばれました。

  • CCI(米国ニューヨーク)は、プログラマーでない人が、どの言語や対象分野でも魅力的な学習コンテンツを開発できるようにすることを目指すプラットフォームに加えて、構造化された連続的教育プログラムを開発しました。
  • チンプル(インド・バンガロール)は、子供が60種以上の探索的なゲームと70種の異なる物語を通じて、タブレットで読み書き計算を学ぶことを目的とする学習プラットフォームを開発しました。
  • ロボチューター(米国ピッツバーグ)は、読解と算数の教師、音声認識・合成、機械学習、教育データマイニング、認知心理学、人間とコンピューターのやりとりに関するカーネギーメロン大学の研究を活用しました。

グローバル・ラーニングXプライズのエグゼクティブディレクターのエミリー・チャーチは、次のように述べています。「これらのソフトウエアをオープンソース化することで、グローバル・ラーニングXプライズと最終候補組は、誰もが各地域のニーズに合わせて発展、適応できる高度なツールを提供しています。これにより、住む場所に関係なく質の高い学習経験を子供に提供するという世界的な取り組みを、大きく前進できると確信しています。あらゆる場所にいる子供は、通学できない子供も、授業に継続的に出席できない子供も、現在受けている教育を補完したい子供も、学習という基本的人権を持っています。」

グローバル・ラーニングXプライズは、国連の教育科学文化機関(ユネスコ)、世界食糧計画(WFP)、タンザニア政府など、後援者、慈善家、パートナーから成るコンソーシアムの寛大な支援によって実現しました。

大賞の発表後、Xプライズはタブレットのセキュリティー確保とソフトウエアのプリロードを行い、ソフトウエアを異なる言語にローカライズし、プリロードしたハードウエアと充電ステーションを遠隔地に届け、最終候補5組がそれぞれの学習ソフトウエアを世界中に広められるように取り組んでいます。誓約に署名して支持を表明するよう、一般に呼び掛けています。あらゆる場所の子供に教育を提供できるよう、グローバル・ラーニングXプライズのコミュニティーに参加して、ご協力ください。

詳細については、learning.xprize.orgをご覧ください。

Xプライズについて

Xプライズは、第501(c)3条非営利団体であり、世界の最重要課題の解決に向けた革新的コンテストモデルの考案・実施における世界的リーダーです。現在実施中のコンテストには、賞金2000万ドルのNRGCOSIAカーボンXプライズ、賞金1000万ドルのANAアバターXプライズ、賞金700万ドルのシェル・オーシャン・ディスカバリーXプライズ、賞金500万ドルのIBMワトソンAIXプライズなどがあります。詳細については、xprize.orgをご覧ください。

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