ノーマン・リーダスが熱く語る! 自身のバイク旅番組「ライド」

ノーマン・リーダスが熱く語る! 自身のバイク旅番組「ライド」

大人気ドラマ「ウォーキング・デッド」(2010年~)のダリル・ディクソン役などで、日本でも大勢のファンに愛されるノーマン・リーダス。そんな彼がホストを務める番組「ライド with ノーマン・リーダス」の撮影で来日。それに合わせ、4月19日に「Hulu主催『ライド with ノーマン・リーダス』シーズン2配信記念ノーマン・リーダスファンミーティング」が開催されたことは先日リポートしたが、インターネットTVガイドではノーマンへのインタビューも実施。番組に対する思いなどを語ってもらった。

たわいのない話をし続けることは、実はすごく難しい

── いわゆる冠番組を持つのはどんな気分ですか?

「僕はわりとシャイなタイプだから、『番組名に名前が入るなんて!』と思っていた。宣伝する時も、『“ライド”を見てね』と言うようにしてるんだ。自分の名前なんて言いたくないからね(笑)。番組を始めて驚いたのは、思った以上に大変だということ。たわいのない話をし続けるのって、実はすごく難しい。回しっぱなしのカメラの前に立ち続けるのもね。朝起きてホテルのドアを開けた瞬間から収録が始まるから、『まだ眠いんだ。コーヒーを飲ませてくれ!』って感じだよ(笑)。正直なところ、神経がすり減るのは確か。でも、あまり神経質になり過ぎないようにしているんだ。のんびりやればいいかなって」

── リアリティー番組ならではの苦労があるんですね。

「歯を磨いている時も、エレベーターに乗っている時もカメラがついてくるからね(笑)。でも、リアリティー番組ならではの楽しさもある。僕の場合、映画やドラマの撮影でも演技を決め込み過ぎず、その場で起こることを楽しむタイプだから、自然発生的なものを大事にするリアリティー番組は、性に合っていると思う。かつてユアン・マクレガーもバイク番組をやっていたけど、彼もバイクを故障させたり、ぬかるみにはまったりしていただろう? そういったハプニングを僕も愛している」

── ゲスト出演者とのやりとりも自然体で楽しいです。出演交渉は直接行うのですか?

「そのパターンが多いかな。世界各地で撮影しているから、場所にもよるけどね。シーズン2の第1話に出てくれたジェフリー(・ディーン・モーガン)に関しては、『ウォーキング・デッド』で共演する前から仲良しだったから『出てみない?』と普通に声をかけた(笑)。ゲストの大半は友人か、友人の友人だね。バイカーの世界はわりと狭くて、みんなつながっているんだ。日本のバイカーたちが、アメリカのバイカーたちと交流していたりもする。趣味が似ていると、簡単につながれるんだろうね」

── 番組内に流れるモノローグもすてきですね。

「本編の収録後に録音するのだけど、となると大抵は『ウォーキング・デッド』の撮影期間中に録ることになる。『ウォーキング・デッド』の撮影は5~11月で、『ライド』はそれ以外の時期に収録しているから。(『ウォーキング・デッド』の撮影地である)アトランタのスタジオで録音するんだ。モノローグの台本は、アンソニー・ボーディンのグルメ旅番組を手がけたスタッフが書いてくれている。彼らは僕の意見や気持ちを取り入れて素晴らしいものに仕上げてくれるのだけど、たまにアンソニーのような言い回しを好むこともあってね(笑)。そんな時は、『う~ん。僕はこんなにもきちんとしたしゃべり方はしないかな…』と主張するようにしている。そのコラボレーションも楽しんでいるよ」

── ダリルを演じている間に楽しい旅を振り返るのは、精神的に大変じゃないですか?

「混乱するよ(笑)。ダリルは吐き出すようにしゃべる男だから、その癖が『ライド』のモノローグでも出そうになる。『ウォーキング・デッド』の撮影中はアトランタの家から撮影現場にバイクで通っているのだけど、標識をダリル風に読み上げちゃうこともあってね。(ダリルの渋い口調で)『よし。高速の出口だぜ…』って感じ。『ライド』の本編を見てもらえば分かるように、何を見ても『ワオ~!』なんて子どもみたいにはしゃぐのが本来の自分なのに。なかなか悩ましいよ。影響が大きくてね。大阪で『ライド』の収録をした時も、2週間後に始まる『ウォーキング・デッド』の撮影のことが頭の片隅にあった。『もうすぐダリルに戻らなきゃ』と考えながら、大阪の街をバイクで走っていたんだ(笑)」

── まさに世界の各地で収録なさっていますが、あなた自身になじみ深い土地に行くエピソードが印象的です。シーズン2の最終話は、パーソナルな魅力にあふれていました。

「シーズン2の最終話をニューヨークで収録できたのは、すごく光栄なことだった。古い友人たちも集まってくれたし、20時間分くらいは収録できたよ。マンハッタンのリトル・イタリーには必ず利用するカフェがあるし、チャイナタウンにもよく行く。息子が幼い頃は、彼が飼っていたトカゲのエサにする金魚やコオロギをペットショップまで買いに行ったものだよ。だから顔見知りが多いし、どの店にも僕の写真が飾ってある(笑)。ニューヨークで生まれ育った息子は子どもの頃、いらなくなったおもちゃを道端で売ろうとしていた。敷いたタオルの上におもちゃを並べ、1~2ドルくらいの値段をつけてね。まんまとおばあさんたちに売りつけていたよ(笑)。道1本にも思い出が詰まっているから、ニューヨークを語るには時間がいくらあってもたりない。僕自身も大好きなエピソードだよ」

【プロフィール】


ノーマン・リーダス Norman Reedus
1969年1月6日生まれ。米・フロリダ州出身。カルト的人気を博した「処刑人」(99年)シリーズをはじめ、映画にドラマに活躍。2010年、「ウォーキング・デッド」のダリル・ディクソン役でブレークを果たす。ほかの出演作に「ブレイド2」(02年)、「マイ・ライフ・メモリー」(13年)、「トリプル9 裏切りのコード(15年)などがある。

【番組情報】


「ライド with ノーマン・リーダス」シーズン1~2
Hulu 独占配信中
公式HP:https://www.happyon.jp/

バイク好きとして知られるノーマン・リーダスが、仲間とともにツーリングで各地を巡る旅番組。バイクを走らせながら、訪れた地の絶景、文化、歴史などを紹介する。アメリカ各地はもちろん、スペインのバルセロナなど海外でも収録。バイクを愛する男、ノーマン・リーダスの素顔が堪能できる内容となっている。

取材・文/渡邉ひかる 撮影/島田香

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