UOMO SUNOCO TEAM LEMANS 2019スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス レースレポート

開催日時
5月18日 土曜(予選=荒天のため翌日朝に順延)
5月19日 日曜(予選&決勝)

開催サーキット
オートポリス 国際レーシングコース(1周 4.674km)

予選

天気:雨
コース状況:ウエット
気温:17度(予選開始時)
路面温度:17度(予選開始時)
予選開始:決勝日の朝(5月19日)8時45分
観客動員数:2450人

 今季も全7戦で争われる全日本スーパーフォーミュラ選手権、第2戦の開催地は九州地方のモータースポーツの中心地、大分県日田市のオートポリスである。

 中高速コーナーが続き、アップダウンにも富んだチャレンジングなコースが戦いの舞台だ。今季が来日初年度のアーテム・マルケロフにとっては初実戦の地となるが、大嶋和也とチームにとって、ここは特に好相性のコースといっていい。

 一昨年のオートポリス戦では2位と3位のダブル表彰台を獲得している(大嶋は当時3位)昨年のオートポリス戦は荒天で決勝中止となっているため、チームにとってはオートポリス戦における実質的な意味での連続表彰台を狙う戦いということにもなってくる。

 迎えたレースウイークエンド、今年もオートポリスの天候は不順。土曜は雨の影響で予選が実施されない状況に。予選は日曜の朝に延期され、実質ワンデイ化された。

#7 アーテム・マルケロフ

予選結果:20番手扱い

 日曜朝に延期された時点で、予選は3段階ノックアウト方式ではなく、40分という走行時間枠のなかで出したベストタイム順に1番手から20番手までが決まる通常方式に変更された。

 そして日曜も朝は雨、ウエットタイヤでの戦いだ。セッションは赤旗中断が多発する流れとなり、そのなかでマルケロフもアクシデントに遭遇、マシン後部を損傷してしまう。

 順位的にはアクシデント前のタイムで13番手相当だったが、赤旗原因となったうちの1台としてのタイム抹消などの措置を受け、グリッドは20番手と位置づけられた。

#8 大嶋和也

予選結果:11番手(予選ベストタイム:1分53秒200)

 予選途中でセッションの5分延長措置が取られはしたが、ヘビーウエットな路面でマシンがあげる水煙により視界もままならない状況では、まともな予選バトルにはならない。そのなかで大嶋のタイムは1分53秒200で12番手。

 阿部エンジニアによれば、コース最終セクターで前走車に詰まる不運がなければかなり上位にいけた感触があった。数時間後におこなわれる決勝での挽回に向けて、わずかなインターバルを有効に使ってチームは入念に準備を進める。なお他車のタイム抹消があり、正式予選順位は11番手となった。

アーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)

決勝

天気:曇り
コース状況:ドライ
気温:19度(決勝スタート前)
路面温度:22度(決勝スタート時)
決勝レース開始:14時(フォーメーションラップ開始)
周回数:54周(約250km)
観客動員数:3700人

#7 アーテム・マルケロフ

決勝結果:リタイア

 チームはマルケロフのマシンを懸命に修復、決勝グリッドからのスタートは叶わなかったが、ピットスタートで3ラップほど遅れてのレース出走になんとかこぎ着ける。

 3周終了時、セーフティカーが出動しているタイミングでマルケロフが発進。しかしトラブルにより、コースイン直後にストップという残念な事態になってしまった。

#8 大嶋和也

決勝結果:3位(所要時間:1時間30分37秒265、ベストタイム:1分31秒884)

 決勝スタートを迎える頃には雨の影響はほぼなくなり、路面はドライ化していった。大嶋はミディアムのドライ用タイヤを装着して11番グリッドからのスタートに挑む。

そして1周目終了時に予定通りピットインして、ソフトへとタイヤ交換(給油はせず)。ドライ用タイヤの両スペック使用義務を果たし、ゴールまで走りきる作戦である。

 2周目にセーフティカーが導入されるアクシデントがあり、ここで多くのマシンがピットへ向かう。大嶋にとっては燃費的なことを含め、レースの流れが向いてきたといえる状況だ。

 セーフティカー先導のスロー走行は7周目終了段階まで続き、大嶋は隊列のなかで7番手に位置。リスタート後に抜いた、抜かれた等はあったが、7番手キープでレースを進めていく。

 大嶋は23周目に3号車、25周目に38号車をそれぞれパスして5番手へ。33周目には4号車も抜いて4番手となった。さらに前の1号車を追いかけていく。前方2番手に位置していた65号車はまだピットインしていないマシンの1台で、4番手を走る大嶋にとってはこの65号車が順位争いのライバルという格好になってきた。

 相手がピットインしてコースに戻ってきたときに前にいられる位置を走っていれば表彰台圏内である。そして65号車が終盤50周目にピットへ。ここで大嶋は3番手となった。

 2番手の1号車との差もジリジリと詰めてはいたが、これに迫るまでには至らず。とはいえ、見事に3位で今季初表彰台、オートポリスでは一昨年に続く3位獲得を果たした。

大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS )

コメント

#8 大嶋和也

「3位という結果は素直にうれしく思います。スーパーフォーミュラに復帰して3年目ですけど、正直昨年までは苦しいシーズンが続いていたところがありますからね」

「今年は阿部エンジニアが加入して、僕のマシンを担当してもらい一緒に戦っているわけですが、今回持ち込みの状態からセットアップがすごく良かったです。ですから今週はいける、という感触があったんですが、予選がああいったかたちでまともにアタックできないセッションになってしまい、そこはとても残念でした」

「決勝では作戦がうまく機能し、もちろん幸運もあったと思いますけど、コース上でオーバテイクも決めてこの位置(3位)まで来ることができました。すごく満足していますし、チームに感謝しています」

「次の第3戦はスポーツランドSUGOでの戦いになりますが、僕のマシンは本当に良くなってきていますし、今回の状態をベースにして臨めばSUGOでもきっと速さを発揮できると思います。次こそは予選からしっかり上位に入って、優勝したいですね」

8号車担当 阿部エンジニア

「金曜日のドライでの練習走行から調子は良かったですね。雨の予選もわるくなかったですし、決勝レースのペースは速かったと思います。燃費をケアしつつ、1号車を追い、離れた位置にいる65号車とも戦うレース後半の展開でしたが、大嶋選手は本当によくやってくれました。速かったです」

「タイヤ交換作業も早かったですね。シーズンの早い段階でこういうレースができたことは大きいです。この先も、きっといい戦いができると思います」

片岡龍也監督

「マルケロフに関しては残念なレースになってしまいましたが、大嶋が素晴らしい戦いをしてくれました。やれることをやれた、そういうレースだったと思います」

「金曜の走行からドライでの速さに自信をもって臨めましたし、実際決勝での大嶋のペースも速かったですね。セーフティカーが出たタイミングも我々の作戦には良かったです」

「大嶋は要所、要所でしっかり勝負できていましたし、本当に力強いレースを見せてくれました。燃費を気にしつつもペースがほとんど落ちなかったくらいでしたからね。この流れと勢いをもって、次は2台そろってのいい結果を目指したいですし、大嶋に関してはさらにいい結果を、優勝を狙っていってほしいと思います」

8号車担当 阿部エンジニア(左)、大嶋和也(右)

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