あまりにひどいロシアの無免許運転事情

ザギトワさんも疑い、2回超違反8万人も

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太田清

47NEWS編集長

太田清

47NEWS編集長

共同通信社入社後、広島支局、大阪社会部、外信部、経済部、ベオグラード支局、モスクワ支局、ローマ支局などを経て2016年より現職。イトマン事件、阪神大震災、コソボ紛争、ユーゴ空爆、モスクワ劇場占拠、アフガン紛争、ギリシャ財政危機、東日本大震災などを取材。

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渋滞するモスクワの道路(タス=共同)。本文と写真は直接の関係はありません

 2018年平昌冬季五輪フィギュアスケート金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手(17)が16歳だった今年4月、故郷のウドムルト共和国イジェフスクで無免許運転していた疑いが発覚したとの報道は大きな反響を呼んだ。自分でアップしたインスタグラムでの動画投稿がきっかけとなったことはもちろんだが、これほど有名なスポーツ選手が簡単に無免許運転してしまう事情や、刑罰が日本と比べあまりに軽いことに対し、多くのコメントが寄せられた。 

 そこで、ロシアの無免許運転事情を調べてみると、そのあまりの横行ぶりに驚いた。法律問題専門サイト「プラバ・ルー」などが伝えたロシア内務省統計によると、2016年から18年前半の計2年半の間に無免許運転で2回以上検挙された人は8万2500人に上り、7500人は5回以上捕まっている。この間に、無免許運転が原因の事故件数は2万6000件に達し、こうした事故で4000人が死亡し、3万4000人以上がけがをした。 

 これに対し、刑罰はそれほど重いとは言えない。現状では罰金額は5000から1万5000ルーブル(約8500~2万5500円)。根拠となる法律も刑法ではなく行政違反法だ。罰金を支払えば済み、しかもその額が低いから何度も無免許運転する人がいるのだろう。 

 あまりの横行ぶりと事故の深刻さに内務省は「現行の罰則は無免許運転撲滅という目的を達成するのに役立っていない」と行政違反法改正の方針を決定。2回目以上の違反に対し罰金額を最大3万ルーブル(約5万1000円)に引き上げる。罰金が支払えない場合は15昼夜の禁錮または、労働奉仕(100~200時間)を科する。 

 ロシアメディアは「厳罰化」と報じたが、なお軽い。ロシアの地方ではかつて近くに教習のための施設がないこともあり、父親や母親が車の助手席に乗り、一般公道で無免許の子供らに運転させ運転技術を指南、免許を取らせるというのがよくあったと聞く。さすがに最近、そうしたケースは少ないだろうが、日本の45倍の広大な国土を持つロシアでは運転に対し、ついルーズな対応をとってしまうこともあるのではないか。決して許されないことなのだが。 (共同通信=太田清)