初山が2度目の逃げ! ジロ・デ・イタリア第10ステージはデマールが区間優勝

第102回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、休養日明けの5月21日にラヴェンナからモデナまでの145kmで第10ステージを競い、最後は残り1kmで発生した大落車を逃れた選手たちのゴールスプリントになり、フランスのアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)が区間初優勝した。

フランス人選手がジロのゴールスプリントで優勝したのは、2014年のナセル・ブアニ以来だった。デマールはこれが今シーズン最初の勝利でもあった。

イタリアチャンピオンのエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)は区間2位に終わった。彼は第3ステージで降格処分を受けて以来、勝ちに見放されている。

総合リーダーのマリア・ローザはイタリアのバレリオ・コンティ(UAEチーム・エミレーツ)が守った。

初山が今大会2度目の逃げにトライ!

(©Bettiniphoto)

休養日明けの第10ステージは山岳ポイントが1つもないフラットなコースで、距離も145kmと短かった。オフィシャルスタートの合図とともに、この日のゴールだったモデナ県出身のルーカ・コヴィリ(バルディアーニ・CSF)がアタックし、日本の初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が付いて行った。

2人は36km地点でタイム差を3分以上に広げたが、ドゥクーニンク・クイックステップとグルパマ・FDJが集団をコントロールし、それ以上には開かなかった。終盤に入るとロット・スーダルも仕事を始め、初山とコヴィリはゴールまで残り30kmを切った所で集団に吸収された。

初山はこの日115kmの距離を逃げ、独走で逃げた第3ステージの144kmと合わせて今年のジロでの逃げ距離が合計259kmになり、フーガ(イタリア語で逃げの意味)賞総合成績で4位になった。現在の総合1位はイタリアのマルコ・フラッポルティ(アンドロニジョカットリ・シーデルメック)で、すでに合計620km逃げている。

マリア・チクラミーノのアッカーマンが落車

集団ゴールスプリントに向けてスプリンターを擁するチームが仕事を続ける中、ゴールまで残り2.8kmでスペインのフランシスコ・ベントソ(CCCチーム)が単独でアタックし、わずかに先行したままフラム・ルージュを通過した。

ところが集団の前方では、ベントソのチームメートでこの日のスプリントを競うはずだったイタリアのヤクブ・マレツコ(CCCチーム)とマリア・チクラミーノを着たパスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)が転倒したのをきっかけに、大落車が発生した。デマール、ヴィヴィアーニ、カレブ・ユアン(ロット・スーダル)は集団の前方にいてこの落車を逃れた。

落車で混沌となったが、彼らは先行していたベントソを追い抜き、最後はデマールが左側からスパート。ヴィヴィアーニはその後方に付いたが、フィニッシュラインの手前でデマールを追い抜くことはできなかった。

落車したアッカーマンはマリア・チクラミーノがボロボロになったが、すぐ自転車に乗ってゴールすることができた。彼は体の右側に擦過傷と打撲傷を負ったが、幸いゴール後の検査で骨折は見つからなかった。

■ジロで区間初優勝したデマールのコメント
「ボクたちはこのためにジロに着た。ボクは本当に区間優勝したくて、それを勝ち取った。ボクたちはチームとしてとても良い位置取りをしていたから落車を避けられた。ボクはスーパーハッピーだ」

■第10ステージ結果[5月21日/ラヴェンナ~モデナ/145 km]
1. DEMARE Arnaud (GROUPAMA - FDJ / FRA) 3h 36’ 07”
2. VIVIANI Elia (DECEUNINCK - QUICK-STEP / ITA)
3. SELIG Rüdiger (BORA - HANSGROHE / GER)
4. EWAN Caleb (LOTTO SOUDAL / AUS)
5. NIZZOLO Giacomo (TEAM DIMENSION DATA / ITA)
6. CIMOLAI Davide (ISRAEL CYCLING ACADEMY / ITA)
7. BELLETTI Manuel (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA)
8. LONARDI Giovanni (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / ITA)
9. DE BUYST Jasper (LOTTO SOUDAL / BEL)
10. GUARNIERI Jacopo (GROUPAMA - FDJ / ITA)
149. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 03’ 36

■第10ステージまでの総合成績
1. CONTI Valerio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 39h 44’ 39”
2. ROGLIC Primoz (TEAM JUMBO - VISMA / SLO) 01’ 50”
3. PETERS Nans (AG2R LA MONDIALE / FRA) 02’ 21”
4. ROJAS Jose' (MOVISTAR TEAM / ESP) 02’ 33”
5. MASNADA Fausto (ANDRONI GIOCATTOLI - SIDERMEC / ITA) 02’ 36”
6. AMADOR Andrey (MOVISTAR TEAM / CRC) 02’ 39”
7. ANTUNES Amaro (CCC TEAM / POR) 03’ 05”
8. MADOUAS Valentin (GROUPAMA - FDJ / FRA) 03’ 27”
9. CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF / ITA) 03’ 30”
10. BILBAO LOPEZ Pello (ASTANA PRO TEAM / ESP) 03’ 32”
163. HATSUYAMA Sho (NIPPO - VINI FANTINI - FAIZANE' / JPN) 1h 36’ 42”

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):ACKERMANN Pascal (BORA - HANSGROHE / GER)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):CICCONE Giulio (TREK - SEGAFREDO / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):PETERS Nans (AG2R LA MONDIALE / FRA)

ジロ公式サイト

(MAP : RCS Sport)

5月22日はカルピからピエモンテ州のノヴィ・リーグレまでの221kmで、山岳ポイントが一つもないフラットな第11ステージが行われる。

第10ステージのハイライト映像

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