箱根ロープウェイ運休で代行バス 観光への影響回避

雨が降りしきる中、箱根ロープウェイの代行バスに乗り込む観光客ら=21日午後、早雲山駅前

 箱根山(箱根町)の噴火警戒レベルが引き上げられて以降、全線で運休している箱根ロープウェイ。箱根観光の“ゴールデンコース”の一部を補うため、同社は代行バスを運行している。県などは「規制区域はごく限られたエリア」と呼び掛けるなど、箱根全体への影響が懸念されているだけに、同社は「できるだけスムーズに観光客を芦ノ湖までお届けしたい」と話している。

 箱根の玄関口である箱根湯本駅から箱根登山鉄道で強羅駅まで行き、ケーブルカーで早雲山駅、さらにロープウエーで桃源台駅、そこから遊覧船で芦ノ湖を周遊し、バスで箱根湯本駅まで戻るルートは「ゴールデンコース」と呼ばれる。

 中でも早雲山と桃源台駅を結ぶ箱根ロープウェイは、大涌谷の噴煙を間近で眺めながらの“空中散歩”が圧巻で、休日の乗り場には観光客の長い列ができる。今は新緑でにぎわう季節だが、19日に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられ、全線で運休。同社は同日から、立ち入りが規制されている大涌谷駅周辺は通らずに早雲山と姥子(うばこ)、桃源台の各駅を結ぶ代行バスの運行をスタートさせた。

 通常時のロープウェイの1日平均利用者は3千~5千人だが、代行バスの乗客数は19日が約1750人、20日は約1400人、大雨に見舞われた21日は約560人だった。

 早雲山駅から代行バスに乗り込んだ長野県茅野市の主婦(64)は「どうやって芦ノ湖まで行けばいいのかと思ったが、代行バスがあってよかった」とほっとした表情を見せていた。

 同社はもともと定期点検整備のため今月10日から30日にかけ早雲山-大涌谷間で運休中で、31日からは大涌谷-桃源台間で7月1日まで運休する計画だった。このため、各区間で代行バスを用意していたため、「すぐに対応できた」(同社)という。

 代行バスは午前9時から午後5時まで15~20分間隔で運行。箱根ロープウェイや箱根登山鉄道などの交通機関を乗り降りできる「箱根フリーパス」の購入者は無料で乗車でき、持っていない場合はロープウェイの普通運賃が必要。問い合わせは、同社営業推進部電話0465(32)2205。

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