より低い位置までカバー! フルテック「NCF Booster」新モデルの効果を引き出す

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不安定になりやすい電源などの端子周りやケーブルをしっかりと支えて、クオリティアップを図るフルテックのアクセサリー「NCF Booster」シリーズ。ここに、さらに低い位置にある端子をサポートできる新モデル「NCF Booster-Signal-L」が加わった。ベースがコンパクトで、価格もより手頃。シリーズ共通仕様のため、オプションと自由に組み合わせた幅広いクオリティアップと使いこなしも可能だ。薄型や小型の機材が多いネットオーディオ環境などで、効果的なクオリティアップが図れる待望の新製品をレポートする。

フルテックの新製品コネクター/ケーブルホルダー「NCF Booster-Signal-L」(14,800円、税抜/1セット)

クレイドルを低くできるNCF Booster-Signal-L

より低い位置にも使えて、広範な端子周りを音質改善(Text by 山之内 正)

フルテックのNCF Boosterシリーズに、NCF Booster-Signal-Lが追加された。ベースプレートの高さをギリギリまで抑えてクレイドルフラットの位置を下げ、低い位置の端子や背の低いコンポーネントでも使いやすいように工夫したことが今回のポイント。特にネットオーディオのジャンルは薄型のコンポーネントが多いので、本品が威力を発揮しそうだ。

電源ケーブルのコネクター支持に最適なオリジナルのNCF Booster(32,800円/税抜)を皮切りに、各種信号ケーブルに応用したNCF Booster-Signal(19,800円/税抜)を追加。今回のNCF Booster-Signal-Lはそれに続く第3弾ということになるが、基本的な仕組みに変わりはなく、静電気対策と振動対策を同時に発揮するというコンセプトも共通だ。

静電気を抑える特殊素材のNCFを調合させた、ナイロン樹脂とオーディオグレードのABS樹脂の組み合わせに加え、クレイドル内部の入念な振動対策がコネクターやケーブルの振動を低減する。

新製品「NCF Booster-Signal-L」。写真右側は、高さを最も低い状態に設定したところ

通常のNCF Booster-Signalは基本の高さが44〜82.5mmだが、新しいNCF Booster-Signal-Lは23.8〜81.4mmと、低いポジションでは約2cm下がり、またシリーズ共通のエクステンションシャフトバーが2本付属するので、高いポジションは、NCF Booster-Signalとほぼ同じ高さまでカバーする。

バーをオプションで追加すればさらに高い位置で使うこともできるが、ベースプレートが軽いので重心は高めになる。端子の位置はコンポーネントによって千差万別だが、この2種類を使い分ければ用途は一気に広がる。

ネットワークプレーヤーやUSB DACの場合、インターコネクト出力(アナログ・ライン)はもちろんのこと、LANケーブルやUSBケーブルなど、デジタル伝送系でも静電気と振動が音質に与える影響は小さくない。さらにユニバーサルディスクプレーヤーやリンのDSMでは、HDMIケーブルの振動対策も視野に入れておくべきだ。

LAN、USB、HDMIいずれも構造的な問題で嵌合が甘くなりやすく、それが原因となるトラブルも珍しくない。オーディオ用途をメインに考えていないので仕方ない面もあるが、NCF Boosterシリーズを導入すれば音質改善と信頼性向上を同時に実現できる可能性が高い。

NCF Booster-Signal-Lの効果を聴く

NCF Booster-Signal-Lの効果を聴く

RCAインターコネクト出力端子に使うと、立体感や空間の見通しが向上

マランツのネットワークCDプレーヤーND8006の、アナログ出力端子部へNCF Booster-Signal-Lを挿入。ここは位置が低くて従来のNCF Booster-Signalは使えなかった場所だ

ディスク再生とデータ再生を一台で担うマランツのネットワークCDプレーヤー「ND8006」を用意し、フルテックのNCF Booster-Signal-Lの有無による音の変化を聴き比べてみた。このプレーヤーは特にアナログライン出力端子の位置が低めなので、プラグのサイズによってはNCF Booster-Signalが使えないこともある。NCF Booster未使用時の再生音は、周波数バランスに誇張がなく、聴き疲れしにくい音調に好感を持つ。10万円前後の実売価格に見合う素直な再生音で、特にライブ収録のジャズや教会で収録したトリオ・ソナタなど、編成が小さめのアコースティックな録音をクリアに再現する。

アナログラインケーブルのRCAプラグをNCF Booster-Signal-Lに乗せた状態で同じ曲を再生すると、ピアノやヴィブラフォンなど、ほぼ全ての楽器の音像に3次元の立体感が出てくる。室内楽の録音では余韻が広がる空間の見通しが良くなり、空気の動きが見えるようなリアリティが感じられた。ヴォーカルのイメージからにじみが消え、ギターとドラムのアタックが揃うなど、わずかに残っていた曖昧さがほとんど気にならなくなったことも特筆しておきたい。

ネットオーディオ機器周りにも好適

ネットオーディオ機器周りにも好適

LANやUSB端子周りでは、鮮明で遠近感が一気に広がる

fidataのミュージックサーバーHFAS1-H40の、USBとLAN端子にNCF Booster-Signal-Lを挿入。端子がぐらつきやすく、低い部位には特に本品が効果を発揮する

マランツND8006のLANやUSB端子も、フルテックNCF Booster-Signal-Lの守備範囲に収まる。オーディオグレードの製品を選ぶと、どちらのケーブルも太く重くなり、プラグとコネクターの間に隙間が生じやすい。それだけ振動の影響を受けやすくなり、シールドを介したノイズの伝播も懸念される。

NCF Booster-Signal-Lを挿入すると、一音一音の立ち上がりが鮮明になると同時に、発音した直後の音の勢いが強まるように聴こえる。ベースの重量感やヴォーカルの柔らかい質感など、音色はほぼ変わらないまま演奏の生々しさや高揚感をありのままに引き出す感触があり、再生音の格が上がったような印象を受ける。音の変化が大きく、コンポーネントのグレードが1ランク上がったように感じるのはNCF Boosterシリーズに共通する効果なのだが、スリムなNCF Booster-Signal-Lにもその特徴を聴き取ることができる。

LANとUSB各ケーブルへの対策は、fidataのサーバーでも同様な効果が現れ、特に奥行き方向の遠近感が一気に広がることに感心させられた。筐体が薄く、NCF Booster-Signalが使えない機器の代表格だが、NCF Booster-Signal-Lなら問題なく活用できる。

新しい用途、機器のインシュレーターとして試す

新しい用途、機器のインシュレーターとして試す

機器を支えるフットに使うと、重心を下げて低音のブレが消える

機器のシャーシの下にNCF Booster-Signal-Lを3個入れて3点支持。ダイレクトインシュレーターとしての効果も確認できた
fidataのミュージックサーバーの下にインシュレーターとして入れた例。クレイドル下部とベースユニットは接触させず、最低1mm程度の隙間を確保してセット

メーカーが想定する用途とは少し方向が違うのだが、NCF Booster-Signal-Lのスリムなサイズを活かし、インシュレーターとして使ってみるのも面白いと思う。今回はマランツND8006の底面に3個のNCF Booster-Signal-Lを挿入してみた。重量バランスを考慮して位置を工夫しながらフロント側1個、リア側2個で、プレーヤーの筐体を直接支える。

使用前に比べて音の重心が下がり、ピアノの低音部やベースの輪郭からブレが消える。NCF Booster-Signal-Lは既存モデルよりも低価格に設定されているので、ケーブル以外にも用途が広がる可能性がある。NCF Boosterシリーズは使用する数を増やしても副作用が現れないので、予算が許せば複数の箇所に使ってみることをお薦めしたい。

NCF Booster-Signal-Lを構成する各パーツ。NCF Boosterシリーズとして共通規格となっており、他のシリーズや豊富なオプションと組み合わせができる

【NCF Booster-Signal-L仕様】

●クレイドル:フラットタイプ●高さ設定:基本(一番低い位置での高さ)23.8mm、延長81.4mm(オプションでさらに追加可能)●ベースユニット外部サイズ:89.8×66.0mm●外部サイズ:46W×112L×23.8Hmm●質量:基本約130.5g、延長約177.5g●付属品:エクステンションシャフトバー×2本、固定リング×2本

※NCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)は、ナノ粒子化したイオン化する特性の強い鉱物を樹脂とハイブリッドさせた、2015年に開発した特殊素材