赤ワインより強いと注目されるウイスキーの「抗酸化」作用

©株式会社日刊現代

活性酵素を無害化

【人生100年時代の健康法】

意外にも最近は若者を中心にウイスキーが人気だそうです。そのため国産の高級ウイスキー(なぜか国産だけですが)は品薄状態が続いているそうです。

健康情報に敏感な皆さんなら、ウイスキーが「エラグ酸」を豊富に含んでいることをご存じのはず。植物が持つポリフェノールのひとつで、ウイスキーを熟成させる木樽からジワジワと染み出てきます。それが最近になって、赤ワインのポリフェノールよりも抗酸化作用が強いらしいと注目を集めているのです。

もうひとつ、エラグ酸にはがんを予防する効果があるといわれています。実際、細胞レベルやマウスの実験で、少しばかり抗がん作用があることが確認されています。ただし生身の人体でも同様の効果が得られるかは、まだはっきりしていません。

エラグ酸に限らず、他のポリフェノールにも、大なり小なりがん予防効果があると考えられています。

細胞内で発生する活性酸素の多くは、抗酸化酵素の働きによって無害化されますが、なかにはその防御網をかいくぐり、染色体のなかで守られているDNAを酸化してしまうこともあるのです。すると酸化された場所で遺伝情報が狂ってしまいます。

生体には、そんなDNAの損傷を修復する酵素が備わっているため、大事に至ることはめったにありません。しかしときには修復がうまくいかず、細胞ががん化してしまうこともあるわけです。

ポリフェノールは、抗酸化酵素が討ち漏らした活性酸素を無害化することができます。加齢とともに酵素が減ってきた中高年にとっては、ちょっとうれしい話ですね。ポリフェノールが豊富な食材を毎日食べていれば、病気が逃げていくかもしれません。

エラグ酸はベリー系の果物やクルミなどのナッツ類にも入っていますから、別に無理してウイスキーを飲む必要はありません。それにウイスキーを飲むにしても、国産にこだわる必要はないでしょう。輸入品ならいくらでも手に入りますし、熟成期間が長めのものでも、国産品より安く手に入ります。

ちなみに焼酎やビール、そして日本酒にも、エラグ酸とは違いますが、ちゃんとポリフェノールが入っています。だからなにを飲んでもいいわけです。

(永田宏/長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授)