目指せ!救急救命士 松浦市消防本部 初の女性職員

「救急救命士」として現場に立つことを目指し、頑張る女性職員第1期生の加世田さん(右)と和田さん=松浦市志佐町、市消防本部

 松浦市消防本部は本年度、初めて女性消防職員2人を採用した。広島市出身の加世田春花さん(22)と佐世保市出身の和田亜由美さん(23)。2人は「救急救命士」として現場に立つことを目指し、9月からの長崎県消防学校入校を前に、消防の基本研修に取り組んでいる。

 加世田さんは中学生のころ、病気で倒れた祖父を病院に搬送する救急隊員のテキパキとした仕事ぶりに感動。救急救命士を志した。大学で「救急救命士」の資格を取得したが、元来男性が多い職場だけに、就職先がなかなか決まらなかった。そんな折、大学の恩師の紹介で松浦市消防本部が女性職員を初めて採用することを知り応募。試験に合格、採用された。

 和田さんは公務員を目指し専門学校を卒業後、海上自衛隊に入隊。大村航空基地に勤務していた昨年、近くの県消防学校であった救急救助隊員の大会に女性が出場しているのを見て消防の世界に興味を持った。同市が初めて開いた女性向けインターンシップに参加。約3年間務めた自衛隊を辞めて転職した。祖父母が同市出身という縁もあった。

 2人は「これからも女性を採用したいと思ってもらえるよう頑張る」と1期生としての責任と意気込みを語る。松浦市消防本部は「男性に比べ体力面のハンディはあるが、努力や意欲次第で埋められる。2人は訓練でもよく頑張っている。男性ばかりだった市の消防現場に新風を吹き込んでほしい」と期待を寄せている。

© 株式会社長崎新聞社