実用的防除に期待 シイタケ害虫「キノコバエ」、森林総研が天敵発見

©株式会社茨城新聞社

ナガマドキノコバエの幼虫にまたがり卵を産み付けるハチ(森林総研提供)

つくば市の森林総合研究所(同市松の里)は21日までに、シイタケの害虫であるハエの1種「キノコバエ」の天敵となる新種のハチを発見したと発表した。ハチがハエの幼虫に卵を産み付け、成虫になるのを防ぐことを実験で確認した。将来的には天敵を取り入れた害虫防除につながる可能性がある。

森林総研は研究成果を専門誌「バイオロジカルコントロール」オンライン版に掲載した。

害虫は、シイタケに入り込むナガマドキノコバエ類で、体長は1センチ弱。おがくずや栄養剤の中にシイタケ菌を植えて培養する「菌床」栽培で、幼虫がシイタケの中で育ち、中身を食べて被害をもたらす。

森林総研は、天敵によるキノコバエの駆除を研究していたところ、ハウス内で採取したハエの幼虫からハチが成虫となって出てくることを発見。実験室でハエの幼虫とハチを入れて観察すると、ハチが幼虫に卵を産み付け、産まれたハチの幼虫がハエの幼虫の体を食べて成虫になることが分かった。ハチは体長1センチ未満で、ハエヒメバチ亜科の新種の可能性が高いという。

昨年6〜7月に行ったハエの防除効果の実験では、30個の菌床に2匹ずつキノコバエの幼虫を放ち、さらに5匹のハチを放す場合と放さない場合の二つに分けて1カ月ほど観察。その結果、ハチがいる場合は98%で幼虫が育たず、ハチがいない場合は育った。ハチが幼虫に卵を産み付け成長を阻害したと見られる。

森林総研の向井裕美研究員は「このハチは自然界に普通に生息しておりキノコバエの天敵として働くと見られる。しかし生態がよく分かっておらず、ハチを呼び寄せるにおいや環境を研究し、実用的な害虫防除策を開発する」と話した。(綿引正雄)