成年後見人の立場悪用、970万円着服 司法書士を逮捕

 成年後見人の立場を悪用し、故人の預金口座から現金を着服したとして、多摩署は22日、業務上横領の疑いで、東京都狛江市、司法書士の男(31)を逮捕した。

 逮捕容疑は、2018年3~10月、十数回にわたり、同年2月に死亡した成年被後見人の預金口座から計970万円を引き出して着服した、としている。調べに対し、「事務所の運営資金に使うために着服した」などと供述、容疑を認めているという。

 署によると、同容疑者は横浜家裁相模原支部の選任で2012年から成年後見人を務めており、遺族である相模原市南区に住む男性(44)ら2人に遺産分割するために預かっていた口座からほぼ全額を引き出していたという。

 被後見人の死亡後、遺産分割などの報告が同支部になく、不審に思った同支部が昨年10月に尋問したところ、着服が判明。横浜家裁からの告発で署が調べていた。

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