原爆死没者名簿「風通し」 長崎・追悼平和記念館

原爆死没者名簿の風通しをする長崎市職員=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 8月9日の「長崎原爆の日」を前に、長崎市は22日、同市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で、17万9284人分の原爆死没者名簿を外気にさらし、湿気を取り除く「風通し」をした。
 市職員11人が原爆投下時刻の午前11時2分に黙とうした後、1冊ずつ並べた名簿を丁寧にめくり、傷んでいないか確認した。
 市原爆被爆対策部の鈴木誠也さん(26)は「慰霊の思いを込めた。核兵器廃絶と世界平和の実現に向け、職員も一丸となりたい」と話した。
 名簿は計183冊。うち1冊は身元不明者用で白紙。昨年7月までに死去した人の氏名と死亡年月日などを記しており、昨年5月の風通し以降では3516人分が増え、重複記載が判明した28人分を削除した。
 市は昨年から、国が指定する地域の外で原爆に遭った「被爆体験者」も名簿に載せるようにしていて、被爆体験者53人分が名簿に加わった。
 名簿は1968年から作成。昨年8月以降の死没者の記帳は6月3日から始め、今年の平和祈念式典で奉安する。

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