常総火災1週間 廃材の山、消火阻む

保管不備、被害拡大か

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廃材置き場で放水を続ける消防隊員=22日午後4時ごろ、常総市坂手町

常総市坂手町の古物業「立東商事」の廃材置き場で15日朝に起きた火災は、22日で発生から1週間が過ぎた。県内全ての消防本部が結集し、夜通し消火活動に当たった結果、5日後の20日夜には火勢を抑え込む鎮圧状態に。ただ、がれきの一部は依然として熱を持っている状態で、鎮火に向け、地元消防による放水活動が続く。改正廃棄物処理法の基準を超えて廃家電を積み上げるなど、同社の不適切な保管が被害を拡大させた可能性があることから、県は22日、県内同業他社に対する調査に乗り出した。

■目や喉に痛み

現場では22日もがれきの中で消防隊員が放水を繰り返した。周囲を囲む金属製の壁は熱で変形。壁の一部から、焼け焦げた物体が飛び出していた。隊員の1人は「アルミや銅が溶けるほど。1000度ほどの高温はあったんじゃないか」と推測した。

火災は15日午前6時ごろ発生。敷地約7500平方メートルに置かれた廃家電のプラスチックくずや金属くずが一斉に焼け、黒い煙が瞬く間に広がった。

煙による被害は常総市と隣の坂東市に及び、小中学校などの屋外活動が中止に。目や喉の痛みを訴える児童生徒が相次いだ。周辺の養鶏場も卵の出荷停止に追い込まれた。

■膨大ながれき

地元の常総広域消防本部は16日、県を通じて広域応援隊の派遣を要請。常総を除く県内23全ての消防本部が集結し、防災ヘリによる散水も行われた結果、20日夜、ようやく鎮圧した。常総広域消防本部によると、21日時点で、防災ヘリを含む延べ223台、1156人を投入した。

同消防本部の石塚敦(つとむ)消防長は取材に、「燃えた量が膨大だった。消火したがれきを敷地外に運び出したかったが、出せる場所もなかった」とコメント。「発生当初は黒煙で全く前が見えない状態だった。その後、重機が入り、隊員たちが突入できる道を作り、一つ一つの山を重機で崩しながら放水して、冷やしたがれきを別のところによける、という作業を繰り返した」と話す。

■県が70社調査

出火前、廃材置き場には廃家電のくずが高さ10メートルほどまで積み上がっていた。昨年4月に施行された改正廃棄物処理法では、廃家電を扱う事業者は県への届け出が必要となり、屋外に積み上げる場合は高さ5メートルを超えないようにするなど保管や処分の基準が強化された。

県廃棄物対策課によると、昨年8月に同社に立ち入り検査を行った当時も、高さ約10メートルまで積み上がり、行政指導として改善を求めていた。同社は、約7カ月かけて保管状況を見直す改善計画書を提出。しかし実際には改善が進まず被害が拡大した可能性がある。

県内の同業者は約70社。このうち県に届け出を済ませたのは同社を除く13社という。残りは保管方法の基準強化を受け、廃業を申し出たが、処分が終わっていない事業者もあるとみられる。このため県は22日、改めて約70社の確認調査に乗り出した。保管の高さや火災防止策が講じられているかなどを調べる。

立東商事に対しても消防や警察の実況見分に同行するなどして調査を進め、対応を検討する。 (今橋憲正、戸島大樹)