オリ後藤、代打で執念の同点打でサヨナラ呼ぶ 「悔しいし、負けたくない」

オリックス・後藤駿太【写真:荒川祐史】

最後は小田が左前へサヨナラタイムリーを放ち劇的勝利

■オリックス 5-4 ロッテ(22日・京セラドーム)

 オリックスの後藤駿太外野手が22日のロッテ戦(京セラ)で9回に代打で登場し、2死から同点に追いつく中前2点タイムリーを放ち、サヨナラ勝利を呼び込んだ。チームは20試合連続1桁安打と苦しい状況が続くが劇的な勝利で連敗を止めた。

 ドラマは最終回に待っていた。オリックスは初回に幸先よく先制したものの、6回にロッテの一発攻勢で逆転を許し、さらに8回にもダメ押しの1点を奪われていた。

 それでも諦めない。2点を追いかける9回。ロッテ守護神の益田の制球が定まらず、チャンスが転がり込んだ。2死一、二塁から代打・中川が9球粘ってこの回3つ目の四球を選び出塁すると、西村監督は畳みかけるように代打・後藤を打席に送った。直球を振り抜いた打球は中前に弾む2点適時打。同点のランナーがホームに滑り込んだのを見届けると、一塁上で大きくガッツポーズ。「ストレートで抑えられると思われた。打ち返せてよかった」と殊勲打を振り返った。

最後は小田が左前へサヨナラタイムリー「僕も打ちたい、負けたくない」

 ドラフト7位ルーキーの中川が相手守護神に食らいつく姿を見て、「満塁になりそうな雰囲気だった」と集中力を高めた。中川が四球をもぎとり、後藤に最高の場面で機が訪れた。「絶対に打ってやる」。高い集中力を保ったまま打席に入り、一振りに賭した。

 2013年から2017年までは100試合以上に出場していた後藤だったが、若手選手の積極起用などもあり2018年には33試合と大幅に出場試合を減らしていた。「チームが若くなって、同級生や年下が試合に出ている。悔しいし、負けたくない。なんとか同じ舞台で活躍できるように」と言葉に力を込めた。

 後藤の同点打の後は、1番・小田が左前へサヨナラタイムリーで試合を決めた。2人はチームメートから手荒い祝福を受けながら、グラウンドの真ん中で熱い抱擁を交わした。小田も4月7日に左ハムストリングスの筋損傷で登録を抹消され、リハビリを経て19日に再登録されたばかり。「駿太が打ってくれて、素直に嬉しかった。プロに入ってから切磋琢磨してきた。駿太が打ったので、『僕も打ちたい。負けたくない』というそういう色んな感情があって、そこで駿太と目が合って、抱き合っちゃいましたね」と照れ臭そうに笑った。

 中川の四球が駿太の同点打を呼び、駿太の同点打が、小田のサヨナラ打を呼んだ。繋いで繋いでもぎ取った勝利に、「終わるまでなにが起こるかわからない。それを選手たちがやってくれたね」と指揮官もご満悦だった。(安藤かなみ / Kanami Ando)

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