外国人子女対象、通訳や専門家派遣 日本語指導充実へ 6月にも県教委

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茨城県教委は本年度、公立小中学校に通う外国人児童生徒を対象に、日本語指導の充実に乗り出す。外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が4月に施行され、地域の学校に在籍する外国人子女の増加が今後見込まれるためだ。日本語が分からず日常生活や授業に支障を来す児童生徒をサポートしようと、早ければ6月から、小中学校に通訳スタッフや日本語教育の専門家を派遣して指導体制の底上げを図る。

県教委義務教育課によると、外国人児童生徒は年々増加している。県内の小中学校・義務教育学校に在籍する外国人子女は、昨年5月1日現在で計2467人に上り、10年前の1805人から662人(約37%)増えた。

国籍別で見るとフィリピン、ブラジル、中国が多く、常総市やつくば市など県南や県西地域を中心に、県下の小中学校の約3分の1に当たる県内222校に在籍している。

このうち日本語指導を特に必要とする児童生徒は約半数。同課担当者によると「『教科書のこの部分を読んで』など、学習指導上のコミュニケーションが取れなかったり、進路指導の面談などで本人や保護者と十分に意思疎通ができなかったりする場面がある」と現状を説明する。

県教委や在籍数の多い学校では、特別なカリキュラムを作って「日本語指導教室」を校内に開設したり、在籍数が少ない学校でも個別に指導したりと、以前から支援を行ってきた。改正入管難民法の施行を受け、今後の外国人子女の増加を見込んで支援に本腰を入れる構えだ。

県教委は本年度当初予算に事業費約700万円を計上した。日本語指導教室を現在開設する県内62校に、大学などから日本語教育の専門家を派遣して助言を行い質の向上を図る。同教室のない学校に対しては、通訳・翻訳スタッフを派遣し、三者面談時などに教員と児童生徒、保護者がスムーズに意思疎通できるようサポートする。

また、高校進学の機会を確保しようと、高校教員などが外国人児童生徒向けに進路ガイダンスを実施する。このほか、地域のボランティアや自治体、関係団体などとの連携を醸成するため連絡協議会を立ち上げる。

同課は「関係機関とネットワークを構築して外国人児童生徒の支援体制を充実させたい」としている。
(成田愛)