想像の重要性や核廃絶 思い語る JTフォーラム 養老孟司さん、海堂尊さんが講演

「ラテンアメリカを旅して」と題し講演する海堂尊さん

 日常生活を豊かにするためのヒントを著名人が語る「JTフォーラム~ひとのときを、想う。~」が22日、長崎市内であり、東京大名誉教授の養老孟司(ようろうたけし)さんと、医師で作家の海堂尊(かいどうたける)さんが約450人を前に講演。人間が持つ想像力の重要性や、核兵器廃絶への思いをそれぞれ語った。
 長崎新聞社主催、日本たばこ産業(JT)協賛。養老さんは、人間とチンパンジーの遺伝子はほとんど同じと説明。その上で両者の違いは「人間は『自分が相手だったらどう思うか』と考えることができる。動物は考えることができないから『強い方が勝ち』になる。人間だからこそ、他者の気持ちを想像できる子どもを育ててほしい」と語った。
 海堂さんは、キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの生涯を描く「ポーラースター」シリーズを執筆中。南米やキューバに関する文献を調べたことを踏まえ、米国の対外政策には「欺瞞(ぎまん)がある」と指摘。広島と長崎への原爆投下を「大虐殺」と批判し「日本人はもっと怒るべきだし、日本政府は核兵器禁止条約を批准すべきだ。日本人が最も、『核兵器は駄目』と訴える資格がある」と呼び掛けた。

「かけがえのないひととき」と題し講演する養老孟司さん=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

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