狂犬病 予防接種を 長崎県内実施率71% 海外で死亡例も

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県内各地で実施されている狂犬病の集合注射=長崎市新地町、湊公園

 人間が発症するとほぼ100%死に至るとされる狂犬病。日本では飼い犬への年1回の予防接種が義務付けられ、半世紀以上発生はないが、ゴールデンウイーク明けにフィリピンで子犬にかまれたノルウェー人女性が狂犬病で死亡したニュースが報じられた。県や各市町は予防注射月間(4~6月まで)に合わせ、愛犬の登録と予防接種を呼び掛けている。
 県生活衛生課などによると、狂犬病ウイルスは感染した動物の唾液中に含まれており、犬のほかコウモリ、アライグマなどが媒介。潜伏期間が長く、人間に感染すると脳炎を引き起こし、発症するとほぼ100%死亡する。県内で発生が確認されたのは人間は1895年、犬は1926年が最後。だが世界保健機関(WHO)は、世界で年間約6万人が狂犬病で死亡していると推計する。
 厚生労働省のまとめによると、2017年度の県内の飼い犬の登録頭数は6万3996頭で、71.8%に当たる4万5940頭が予防接種を受けた。実施率の全国平均は71.4%。最も高いのは山形県の91.4%。最も低いのは沖縄県の50.5%。狂犬病予防法で義務付けられているにもかかわらず、100%を達成できない背景には、老齢、病気の犬に注射できないことや、死亡しても登録を解除していないケースがあるとみられる。
 同課は「海外からのクルーズ船やコンテナに野良犬やコウモリが紛れる可能性がある。愛犬には登録の鑑札と注射済票を必ず付けてほしい」としている。