3歳児やけど放置「スロットに行くのを優先」 横浜地裁で母と同居相手初公判

 大やけどを負った3歳の女児を自宅に放置したとして、保護責任者遺棄の罪に問われた無職の母親(22)と、同居する交際相手で無職の男(21)の両被告の初公判が23日、横浜地裁(片山隆夫裁判長)であった。両被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、女児のやけどを確認した母親が「様子を見る」と話したため、2人は病院を受診させないことを決めたと指摘。インターネットの情報を基にやけど部分にラップを巻くなどの処置をして寝かせ、やけどを負った日から3日後には女児と女児の兄(5)を自宅に残して2人だけでパチンコ店に出掛けたとした。

 女児の負傷程度については、「全治3カ月以上の重傷で、ブドウ球菌敗血症も発症していた。放置が続けば死に至る可能性があった」と説明した。

 証拠調べでは、両被告の供述調書も朗読。母親は「子ども2人がシャワーを浴びている時に悲鳴が聞こえて、見に行くと熱湯が出ていた」「病院はお金がかかることもあり、スロットに行くことを優先してしまった」と、男は「自分自身が子育てに自信がなく反論できなかった」とそれぞれ話したことを明らかにした。

 起訴状などによると、両被告は共謀して3月1~4日、女児が全身やけどを負ったのを認識したにもかかわらず、病院に連れて行くなど必要な保護責任を果たさず横浜市鶴見区の自宅に放置した、とされる。4日夕に女児の兄が1人で自宅近くの事務所を訪ね、「ママがいない」などと話したため発覚した。

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