デボネアV | 三菱 世界初、日本初の新しい技術をふんだんに投入した2代目

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■「走るシーラカンス」には、実は2代目も居た 
・モデル名 :デボネアV
・世代/形式:2代目(S11/12型)
・メーカー名:三菱
・販売時期 :1986~1992年
・生産台数 :28,007台

三菱グループの重役たちは、みんなこれの後席に乗っていた

ハレー彗星が76年ぶりに地球に接近し、みんなが空を見上げ、おニャン子クラブや映画『子猫物語』、ミュージカル『キャッツ』、なめ猫など猫ブームだった1986年に誕生したのが、三菱自動車の2代目デボネアVでした。

22年というロングサイクルで「走るシーラカンス」と揶揄された初代デボネアですが、2代目デボネアVでは、新開発のサイクロン・シリーズV型6気筒2000cc、3000ccのエンジンを搭載して登場。

三菱としては初めてのV型エンジンで、このエンジンはクライスラーやヒュンダイにも供給されました。逆に言うと、売れる見込みのないデボネアだけに搭載するのでは無く、クライスラーやヒュンダイにも供給する前提があったからこそ、開発予算もある程度付き、開発できたエンジンです。

ちなみにデボネアにVがついたのは、V型エンジンに変更されたことや、VIPやビクトリーという意味から付けられたと言われていますが、3代目デボネアはV型エンジンを採用しているのにもかかわらず、Vは付けられませんでした。

デボネアという言葉自体に気品、優雅な風格という意味があって、その名の通り最上級グレードのロイヤルエクストラは新車価格で400万円ほどもした、三菱が誇るフラッグシップモデルだったのです。

このサイズのクルマとして前輪駆動を採用したのも日本では初の試みでした。初代の後輪駆動から前輪駆動へと変更されたのは、1983年発売のギャランΣのプラットフォームを使っているためで、同クラスのセダンに比べて広い室内空間、荷室を確保できるというメリットもありました。

デボネアVの上級グレードでは、4速オートマチックトランスミッションだけでなく、電子制御のサスペンション、電子制御パワーステアリング、それにドアの開閉に連動してステアリングが上下し、運転席への乗り降りをラクにしてくれるチルトステアリングも国産車としては初搭載。

シガーライターをオンにすると、タバコの煙を自動で排出してくれる機能も世界初。さらにAピラーにスピーカーやマイクを埋め込んだ、世界初のフリーハンドカーテレフォンもあり、高級パーソナルカーらしく世界初、国産車初が盛りだくさんでした。

エクステリアは、初代と比べてオーソドックスな直線をベースにしたヨーロピアンテイストになりましたが、これはアルド・セッサーノがデザインをしたこともあります。ボディ塗装は4回の塗装と4回焼付けすることで、ボディの光沢を際立たせていました。

デボネアVは5ナンバー枠いっぱいの全長×全幅×全高4695×1695×1425mmの5ナンバーモデルからバンパーやサイドモールを大型化した全長×全幅×全高4865×1725×1460mmの3ナンバーモデルまでラインアップしていたのですが、3ナンバー車は税金が高いことから、2000ccのスーパーチャージャー仕様も後に発売しています。

しかし、初代デボネアの社用車としてのイメージを回避することは難しく、同クラスのトヨタ・クラウン、日産セドリック/グロリアに販売台数で差を付けられる結果に。

オーナーカーとしての販路を広げるべく、独の名門チューナーAMG社に監修を依頼して生産したAMG仕様や英国の高級紳士服&婦人服ブランドに内装デザインを依頼したアクアスキュータム仕様などを用意したものの、思うような結果にはなりませんでした。

ちなみに、当時の三菱自の広報部員でありパリダカで優勝した有名な社員ラリードライバーでもあった、シノケンこと篠塚健次郎は、広告塔として当時デボネアAMG仕様に乗って(乗せられて)いました。

デボネアVのエントリーモデルは200万円を切っていたことや6名乗車仕様が用意されていたため、個人タクシーやハイヤーには使われていたものの、1992年に生産が終了。同年には、すべて3ナンバーサイズの大型ボディになり、排気量もアップした3代目デボネアにモデルチェンジされたのです。

クイズ☆エンスーとらのあな

【問題】

デボネアVには、特別仕様車も発売されて、そのなかでも一番マニアックであり高級だったのがデボネアAMGでした。生産台数は前期型が240台で、後期型が58台と言われています。ところでこのデボネアAMGが登場したTVドラマは次のうちどれでしょう??

・『大都会 PARTIII』
・『太陽にほえろ』
・『ゴリラ・警視庁捜査第8班』
(回答は「倶楽部ミーティング」の下にありますよ♪)

倶楽部ミーティング

ミノ:今回は三菱のフラッグシップモデルだったデボネアVだね

ポン:なんか過去形で言われると寂しい気もしますが。
実際にデボネアシリーズはもうないんですものね。
しかも三菱もいろいろあって、新型車の開発を凍結しているし、
そもそもセダンを出していませんね(^_^;)

ミノ:三菱のフラッグシップと言えば、アウトランダーPHEVだね。
プラグインハイブリッドで、しかもSUVがフラッグシップになる時代なのじゃw

ポン:そりゃ1980年代、とは世の中がかなり変わってきているので、
当然クルマ業界も変わっていきますよね。

ミノ:まあ、デボネアAMGなんてのもあったしね。
今の若い子だったらデボネアになんでAMG? なんて思うだろうに。

ポン:それ思った。今ではメルセデス・ベンツのブランドでちょいワルのイメージがあります。
昔はチューナーとして独立してたんでしたっけ?

ミノ:そうなんだよ。なのでデボネアAMGだけでなく、ギャランAMGもあった。
どっちもあまり人気はなかったんだけど。
昔はAMGブランドに憧れて、普通のベンツをなんちゃってAMGにしたパチものも多かった。

ポン:今、それをやるとかえって恥ずかしいですね"/(;-_-) イテテ・・・

ミノ:ギャランAMGはエンジンまでチューニングされていたんだけど、
デボネアAMGは、フロントグリル、前後バンパー、リアスポイラーなどのエアロパーツと、アルミホイールとステアリング、デュアルテールパイプがカスタムされていたヮ(゚д゚)ォ!

ポン:写真で見るとガンダムチックなデザインで少佐が喜びそう(^w^)

ミノ:だね。このスペシャル感もあって、石原プロモーションのテレビドラマにも何作か使われていたんだよね。

ポン:へぇ~。いつの時代でもトンガッたものは男子の憧れの存在なんですね。
今ではテレビドラマでクルマが注目されることもなくなって……

ミノ:まあ、カーアクションを放送すると、クレームが来たりするんだろうね。
「警察があんな乱暴運転したり、発砲していいのか!」なんて。

ポン:ドラマ上の演出です! が通用しなくなっているのかしら?

ミノ:制作費も関係しているのかも……|ω・`)シュン

ポン:急に現実的な話になってきましたね

【回答】

・『ゴリラ・警視庁捜査第8班』

刑事アクションドラマ『ゴリラ・警視庁捜査第8班』は、1989年から1990年にかけて、テレビ朝日系列で放送されていました。

全46話あって、キャッチコピーは「人は彼らをゴリラと呼ぶ」。神田正輝演じる風間有悟という元警視庁刑事の愛車がデボネアAMGでした。

三菱自動車が番組協力していたこともあって、他にはギャラン、スタリオン(ガルウイング仕様)、エクリプス(ガルウイング仕様)、パジェロ、ミラージュなんかも出ていましたよ。