被爆者手帳所持者 4万人割れ 県と長崎市交付 2018年度末で3万8025人

 長崎県と長崎市が交付した被爆者健康手帳の所持者数が2018年度末で3万8025人となり、2017年度末(4万449人)から2424人減って4万人を切ったことが23日、分かった。原爆投下から74年となる中、被爆者の高齢化が進んでおり、長崎市は「(被爆者援護の)制度を利用してもらうために相談受け付けや周知を一層進めていきたい」としている。

 長崎県や長崎市が交付した手帳の所持者数は、旧原爆医療法が施行された1957年度は8万726人。1978年度に11万716人とピークを迎えた後、減少が続いている。

 2018年度末の数字を見ると、長崎市が交付した手帳の所持者数は2017年度末比1659人減の2万7405人、平均年齢は0.68歳上昇し82.35歳となった。このうち男性は9840人と1万人を割り、平均年齢(80.64歳)も80歳を超えた。女性は1万7565人で平均年齢は83.31歳だった。

 長崎市を除く県内在住の被爆者や在外被爆者に対し、長崎県が交付した手帳所持者数は1万620人、平均年齢は83.18歳だった。

 手帳は、直接被爆や入市被爆、胎児被爆などに該当すると認められれば交付され、ほとんどの疾病を対象に医療費の自己負担分が無料になるなどの援護施策が受けられる。厚生労働省によると、全国の手帳所持者数は2017年度末で15万4859人。

© 株式会社長崎新聞社