【令和に咲く】SNSで注目集める ヤフー社員・竹本萌瑛子さん

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社内の会議スペースで社員と意見を交わす竹本萌瑛子さん=東京都千代田区のヤフー東京本社
ツイッターで“バズった”竹本萌瑛子さんの投稿(提供写真)

 マウンドに立つ長身の少女。マンガの主人公のような写真は、ツイッターで瞬く間に拡散した。リツイート(転載)数は約2万4千件。「いいね」約18万。見事に“バズった(インターネット上で爆発的に話題になること)”。

 「熊本の芋野球少女から 表参道で撮影する女になっちゃったよ お母さん」。熊本市の錦ケ丘中野球部で男子に交じって汗を流していた頃の写真に、そんな文章が添えられている。昨年11月、投稿したのは当時大学生の竹本萌瑛子さん(22)=東京都。フリーのモデルを続けながら、この春、IT大手のヤフーに就職した。

 日本大2年の頃、学部のミスコンで優勝。その後、各大学のミスキャンパスらでつくる「キャンパスラボ」での活動をSNSで発信してきた。フォロワーも多かったが、男性中心だった。

 そんな時に出合ったのが「フォロワーは資産」という言葉。田端信太郎さんの著書「ブランド人になれ!会社の奴隷解放宣言」(幻冬舎)で見つけた。SNS隆盛の時代に説得力があった。

 「人は変化に興味を持つ。中学時代と今の自分を並べれば反応あるはず」。マウンドの写真投稿で、フォロワー数は一気に10倍になった。野球関連の人気ユーチューバーの作品に出演するなど、仕事の幅も広がり、著者の田端さん本人からのツイートもあった。SNSの力を実感した。

 「反響は狙い通りでしたが、予想以上」。現在、フォロワー数は5万人を数える。日常の何気ない感動に反響がある、それがSNSの面白さだ。「私らしさに『いいね』されたい。オフラインでは会えない人とつながることができる。SNSは自分の可能性を広げ、新しい世界を知るためのツールになった」

 熊本学園大付属高を卒業し、上京して5年目。会社ではネット広告配信を統括する部署に配属され、研修に追われる日々が続く。5年後、10年後の自分は想像できない。でも今は、会社勤めも続けたいし、モデルも続けたい、と思っている。

 「新しい環境に身を置くことが好き。SNSをやることは目的じゃなく手段。自分のいろんな可能性を試してみたい」。未来を見つめる目が、きらりと輝く。(文・西國祥太=29歳、写真・上杉勇太=29歳)

◇たけもと・もえこ 1996(平成8)年生まれ。3人きょうだいの末っ子。ツイッターアカウントは「@moeko_takemo」。4月末に、デジタル写真集「熊本の芋野球少女から写真集出す女になっちゃったよお母さん」(小学館)を発売。

●いま、できることを  東京タワーを望むヤフー本社が入るビルの18階。長身の竹本さんが爽やかに現れた。キラキラしたエピソードを笑顔で淡々と語る。「『5年後の自分』は想像つかない。もちろん『5年前の自分』も、現在の姿を想像できてはいなかったけど」。かなり共感した。私も将来像を描けていないからだ。「自分も、いま熊本でやれることに取り組もう」。帰り道、高層ビルを見上げ、素直に思った。(宇土支局・西國祥太)

(2019年5月24日付 熊本日日新聞朝刊掲載)