SkyLink、「Phantom4 RTK」後処理補正専用ソフトウェア「KLAU PPK-J Desktop for P4R」取扱開始

SkyLink Japanは、PPKハードウェアおよび後処理ソフトウェアの豪Klau Geomatics社と、株式会社GeoLinkJapan社が共同発表した、DJI社製「Phantom4 RTK」(以下:P4RTK)用の新しいPPKソフトウェアである「KLAU PPK-J Desktop for P4R」の取扱を開始する。希望小売価格は通常価格税別40万円/ライセンス。なお、6月末までに注文した場合は税別35万円で販売する。※PPK=「Post Processing Kinematics」電子基準点からの補正処理をデータ取得後に行う方式

同ソフトウェアにより、ユーザーは、P4RTKのもう一つのモードであるPPKモードによって、基地局との通信を必要とせずに高精度かつ信頼性の高い結果を得ることができるようになるという。PPKは基地局とのリアルタイム接続を必要としないため、ユーザーは基地局との通信障害に伴う損失が無い測位情報を収集することができる。

KLAU PPK-J Desktop for P4Rは、国際的な測量業界で最も正確で信頼できる小型無人機搭載型測量システムとして高く評価されている豪Klau Geomatics社と、その中核商品であるKLAU PPKシリーズの国内総代理店であるGeoLink Japan社の共同開発によって生まれた。

Klau Geomatics社がPPK方式によって培ってきた技術を日本の測量業界向けにローカライズし、表示画面の日本語化、仮想基準点情報のオンラインダウンロード機能および世界測地系(JGD2011)・日本のジオイドモデル(GSIGEO2011)への変換機能が実装されている。

これにより、ユーザーはP4RTKで得られたPPKおよびシャッター記録ファイルを、同ソフトウェアに読み込むだけで、日本の測量業務に必要な測位情報を手に入れることができるという。

DJI Phantom4 RTK

KLAU PPK-J Desktop for P4Rの特徴について詳細は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

1)GCPなしでXY座標誤差5cm、Z座標誤差10cm以内を実現

「KLAU PPK-J Desktop for P4R」にてPPKモードで取得された情報を解析することで、対空標識を使用せずともXY方向で5cm、Z方向で10cm以内の誤差に抑えることができます。これにより、現場でのGCP設置数を大幅に削減することができ、現場作業の効率が増します。

2)D-RTK2モバイルステーションの設置が不要

P4RTKでより精度の高い測位を行うためには、D-RTK2モバイルステーションが必要とされています。「KLAU PPK-J Desktop for P4R」では、適切な仮想基準点情報を自動的にダウンロードし高精度な後処理補正が施されるため、D-RTK2の購入やVRS配信業者との契約、現場での設置作業などは一切不要です。

3)機体とGNSSアンテナ間の位置を高精度に補正

UAVが飛行中に傾斜する影響で、GNSSアンテナとカメラの中心およびジンバル間には、3次元的な位置の相違が発生します。「KLAU PPK-J Desktop for P4R」では、P4RTKのIMU情報を用いてこの差を補正し、各写真の正確なカメラ中心位置を決定します。

4)世界測地系と日本のジオイドモデルへの変換機能を搭載

「KLAU PPK-J Desktop for P4R」は、P4RTKのデフォルトの座標系および楕円体高に対して、セミ・ダイナミクス補正後の世界測地系(JGD2011)および日本のジオイドモデル(JGD2011)を考慮した標高への変換に対応しています。ユーザーは、変換後の値を使って3次元点群復元やオルソモザイク画像作成などの処理を行うことが可能です。

5)スマートジオタグ機能を搭載

「KLAU PPK-J Desktop for P4R」を使うことで、後処理された高精度な座標値のEXIFデータへの上書きや他の測量情報も含んだテキストファイル内への書き込みなどができます。これら座標値に加えて、各写真の推定精度情報も算出されるため、SfMソフトで処理を行う際により位置精度の高い結果を得ることができます。

6)独自のレンズキャリブレーションによって更なる高精度化を実現

通常のP4RTKには、撮影された画像のヘッダーに工場出荷時のレンズキャリブレーション情報が保存されています。しかし、この値はレンズ1つ1つの個体差を正確には反映していません。弊社では、実際のドローン測量現場に近い環境下において独自のレンズキャリブレーションを行うサービスを実施しております。これによりX、Y、Z方向全てにおいて±5cm以内の精度を実現します。

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