自動通話録音機「設置世帯、被害なし」 長崎県警アンケート 特殊詐欺防止に効果的

長崎県警

 特殊詐欺被害防止のため、長崎県警が県内の高齢者宅に無償で貸し出している自動通話録音機について、昨年5月から1年間にかかってきた電話の約30%が自動アナウンスの途中で切られていたことが23日、設置世帯を対象にした長崎県警のアンケートで分かった。貸し出しを始めた2015年以降、設置世帯では特殊詐欺の被害がなかったことも判明し、長崎県警生活安全企画課は「設置が被害防止に効果的であることはアンケート結果からも出ている。今後、より多くの人に設置を検討してもらいたい」としている。

 録音機は電話をかけてきた相手に、「振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」とアナウンス。犯人側は自分の声や犯行手口が記録されるのを嫌うため、被害を未然に防ぐ効果があるとされる。

 長崎県警は現在、県内の高齢者世帯に計720台を貸し出し。このうち、149世帯を対象にアンケートをした。録音機の設置後に「不審電話がかかってこなくなった」と回答した世帯は約67%。利用者からは「安心して電話に出られるようになった」などの意見が寄せられ、録音機の設置を「満足」「おおむね満足」と回答した世帯は計約97%に上った。

© 株式会社長崎新聞社