相模原・男性刺殺に18年求刑 被告は無罪主張、横浜地裁で結審

横浜地裁

 相模原市南区の路上で2017年12月、男性=当時(60)=が刺殺された事件で、殺人の罪に問われた無職の男(41)=同区=の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、横浜地裁(田村政喜裁判長)であった。検察側は「怒りに身を任せた激情的な犯行だ」として懲役18年を求刑、弁護側は改めて無罪を主張して結審した。判決は31日に言い渡される。

 検察側は論告で、被告の壊れた眼鏡やたばこの箱がそろって現場から見つかったことや、被告の自宅アパートの駐輪場に被害者の血痕が付いた自転車が止めてあった点から、「被告が犯人であることは明らか」と指摘。路上でのけんかの末に刃物を持ち出した犯行態様を「極めて危険で、残虐性が高い」と非難した。

 弁護側は「犯人ならわざわざ自宅に自転車を戻すことはしない」と反論。「状況証拠だけで、被告が犯人と立証されていない」と主張した。最終意見陳述で被告は「私は人なんて殺していない」と述べた。

 起訴状などによると、被告は17年12月12日深夜、同区大野台6丁目の路上で、近くに住む会社員の男性の胸や腹を刃物で突き刺すなどして殺害した、とされる。

© 株式会社神奈川新聞社