「はれのひ」社長、二審も実刑 東京高裁、被告の控訴棄却

 成人の日に晴れ着トラブルを起こした振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市中区、破産)の銀行融資詐取事件で、詐欺の罪に問われた同社元社長篠崎洋一郎被告(56)の控訴審の判決公判が24日、東京高裁であった。栃木力裁判長は「被告のさらなる反省などを踏まえても、一審判決の量刑は左右されない」として、懲役2年6月を命じた昨年12月の横浜地裁判決を支持し、被告の控訴を棄却した。

 栃木裁判長は判決理由で、詐取金計約6500万円のうち、約6千万円の被害回復が見込めない点などを踏まえ、「犯行態様は悪質で、被害も多額である」と非難。一審判決の量刑判断について「考慮した事情および評価ともに適切であり、相当なもの」として、弁護側の量刑不当の主張を退けた。

 判決によると、被告は2016年8月から9月にかけて、虚偽の決算報告書を示して同社の経営状態を良好に見せかけて、横浜銀行と東日本銀行から計約6500万円の融資金をだまし取った。

 同社は昨年1月の成人の日を前に、突然店舗を閉鎖。式典当日に神奈川県や東京都などで晴れ着を着られない新成人が相次ぐトラブルが発生した。新成人ら顧客の損失については立件が見送られている。

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