ハプニングバー摘発で客と従業員が逮捕 経営者の男がなぜ違法店を再開させたのかを法廷で語る

確かに面白いかもしれませんが…(写真はイメージです)

橋本章人(仮名、裁判当時40歳)が経営していたお店は、摘発を受けて閉店するまではかなり人気があったようです。人気がありすぎて目立ちすぎたから摘発された、と言っている人もネット上にいました。

彼が経営していたのはハプニングバーでした。客同士が他の客から見える状況でわいせつな行為をしていたとして、摘発を受けた時に店にいた男女3名が公然わいせつ罪で現行犯逮捕されました。そして店の従業員4名と、摘発時には店にいなかった店長の橋本も公然わいせつ幇助の罪で逮捕されました。

彼の経営するハプニングバーが摘発を受けるのは2回目でした。以前にも別の場所でハプニンバーを経営していて、そこも警察からの摘発で閉店を余儀なくされました。その時は略式起訴の罰金刑で済んだようですが、二回目となる今回は公開の法廷で正式裁判を受けることになってしまいました。

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元々彼は美容師でした。専門学校を卒業して上京後、美容師専門学校の講師として働いていました。しかし、その職業は彼には合わなかったようです。もう辞めて田舎に帰ろう、そう考えていた時、知り合いに「面白い場所がある」と誘われて彼は初めてハプニングバーに足を踏み入れました。

「なんだこれ…!」

初めて触れるその世界に彼は衝撃を受けました。最初こそ驚きや抵抗感がありましたが、だんだん慣れて平気になっていきました。

「周りもみんなやってるから」

少しづつ彼は「変態の集まり」というハプニングバーにのめり込んでいきました。そこから紆余曲折を経て、彼は美容師の仕事を辞めてハプニングバーを経営するまでになったのです。

2人目の子供も生まれ……

一軒目のハプニングバーを潰してした後はもう同じような仕事をやるつもりはなかったようです。しかし前科のある身ではなかなか仕事は見つかりません。一軒目のバーを経営している時に彼は結婚をしていて、子供も1人いました。

「家族が食べていくために」

彼は場所を変えてまた店を開くことにしました。今度は違法な店でなく「ナンパバー」という形態のものでした。相席屋のような店で「ちょっとやらしい、怪しい雰囲気のバー」で「わいせつ行為は禁止」でした。
しかしこのお店は流行りませんでした。

資金繰りは厳しく赤字は膨らみ、借金もかなりあったようです。彼は少し方針を転換して、店をのぞき部屋のようなスタイルに変えました。これもあまりうまくいかなかったようです。

「前の常連さんにまた来てほしい」

お金の面での焦りもありました。このお店をオープンしてから2人目の子供も生まれていました。

「これくらいならいいかな、と思って…」

売上を上げるために、だんだん店のコンセプトは過激なものになっていきました。そしていつしか、一軒目の店と同じようにハプニングバーとなっていました。元通りになってしまったのです。

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「いつかやめないといけない、とは思っていました」

そうは思いながらもなかなかふんぎりがつきませんでした。

「いつかまた捕まるんじゃないか、という不安もありましたし、子供に自分の仕事を知られたくないとも思っていました」

不安や焦りに苛まれながらの経営でしたが、自分の店の周りに何軒かあるハプニングバーがどこも摘発されていないことも彼の決断をズルズル先伸ばしさせる要因になってしまいました。

逮捕後、店を畳んだ彼は知り合いのラーメン屋でアルバイトとして働いています。

「将来はラーメン屋でやっていければな、と思っています。もうハプバーはやりません」

と供述していました。

彼には経営の才能はあるのだと思います。まさかラーメン屋がいつの間にかハプニングバーになっていた、ということは恐らくないでしょう。

「今考えるとナンパバーは悪くなかった気がします」

とも供述していたのは気になりますが、犯罪でなければ職業が自由です。ナンパバー経営という職業は彼にとって2人の子供に知られてもいい職業であるならその選択を止めることはできません。(取材・文◎鈴木孔明)

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