過去のスーパーGTの遺産を活かす『GTA with BHオークション』開催へ。GTAとBHJが記者会見実施

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションと、近年さまざまなレーシングカーのオークションを手がけている株式会社BHJ/BHオークションは5月25日、スーパーGT第3戦鈴鹿が開催されている鈴鹿サーキットで共同記者会見を行い、今後コレクタブルなレーシングカーのオークションを軸とした新規事業展開に向けたオフィシャルパートナーシップを結んだと発表した。

 BHオークションは、2018年の東京オートサロンをはじめ、さまざまな場所で貴重なスーパースポーツカーやレーシングカーのオークションを開催し、その高額な落札額が大きな話題を集めてきた。CEOを務める武井真司はポルシェカレラカップ・ジャパンなどをはじめジェントルマンドライバーとしてさまざまなレースに参戦しているほか、鈴鹿10時間にもキャラウェイ・コルベットを駆り参戦するなど、モータースポーツ界にも精通している。

 そんなBHオークションが、新たにスーパーGTとコラボレーションし、『GTA with BHオークション』と題したオークションを開催するほか、ファンにとっても楽しみな将来像を提示していくことになった。それは、これまで長い歴史を誇るJGTC全日本GT選手権/スーパーGTの歴史を彩ってきたレーシングカーやパーツ、さらにレーシングスーツといったメモラビリアをオークションにかけ、さらに落札されたクラシックGTマシンを使ったデモランイベントやクラシックレース開催を実現しようというものだ。

 数多くのレーシングカーが流通しているヨーロッパやアメリカでは、富裕層を中心にこうしたレーシングカーのコレクションを楽しむ人々が数多く存在し、彼らは購入したクラシックカーを駆りレースを楽しんでいる。車両自体もコンディションが高く保たれたまま保存される魅力もある。実際、ル・マン24時間やニュルブルクリンク24時間では、ファン垂涎のクラシックカーが驚くべきペースで走行することを観ることができる。

 今後BHJとGTAは、オークションによるレーシングカーやモータースポーツ関連のメモラビリアの売買というまったく新しい収益構造を構築し、その収益をモータースポーツ界全般に投資してきたいとしている。

 またチームやエントラントに向けては、過去の財産のオークション出品を呼びかけ、チームの収益構造改善を促していくほか、オークション収益をさまざまな団体に寄付することで、社会貢献を通じたモータースポーツの認知向上のために努力していきたいとしている。

 2019年については、スーパーGT最終戦ツインリンクもてぎでチャリティオークションを実施するほか、富士スピードウェイで開催予定のスーパーGT×DTM特別交流戦で『GTA with BHオークション』を実施。また、鈴鹿サーキットで開催されているクラシックカーイベント『鈴鹿サウンド・オブ・エンジン』において、BHJとGTAが共同で『スーパーGTクラシックレース』の実施を目指したいとしている。

 現在日本国内外にどれほどのマシンが残っているのかは不明だが、メーカーが直接開発してきた近年のGT500マシンについては「厳しいと思う」とGTA坂東正明代表は語りながらも、JGTC時代のGT500マシンやGT300マシンについては、今後このオークションで出品される可能性が出てきた。ファクトリーの奥にしまい込まれるのではなく、今後マシンがふたたびサーキットを走る時が来るかもしれない。チームにとっても、うまく活用すれば収益構造改善に繋げられそうだ。

 近年のスーパーGTの国際的な関心とともに、「クラシックカーレースの本場であるヨーロッパ、オークション文化があるアメリカ、アジア諸外国からも注目されると思っている」と坂東代表。『GTA with BHオークション』の今後の展開を期待したいところだ。

37/PRO-AM/Callaway Competition wtih BINGORACING武井真司が2018年鈴鹿10時間でドライブしたキャラウェイ・コルベットC7 GT3-R

© 株式会社三栄