虐待受けた子ども、どう支える 横浜でシンポジウム

石井さんの講演会などが行われた「子どもセンターてんぽ」のシンポジウム =横浜市港南区

 虐待などを受けた10代後半の子どもを支援するNPO法人「子どもセンターてんぽ」(横浜市港北区)のシンポジウム「『家』なき子どもたちはどこへ?」が25日、同市港南区民文化センターホールで開かれた。子どもを一時保護するシェルターの活動報告や作家の石井光太さんの講演会が行われ、子どもを取り巻く困難について考えた。

 てんぽは、県内で子どもシェルターと就労自立を目指す若者が生活する自立支援ホームを運営している。

 シンポでは、両施設の2018年度の利用者数や滞在期間、退所後の状況などを報告。さらにシェルターを舞台にしたテレビドラマの映像を参考にしながら子どもの生活などを紹介した。同法人理事の鈴木栄子さんが「子どもたちにはさまざまな苦労があり、それはシェルターでは解決できない。多くの人に支援いただきたい」と呼び掛けた。

 少年事件を多く取材している石井さんは、「さまざまな施設で、虐待被害の話が出る。子どもに最も影響が大きいのはネグレクトだとも聞く」と自らの経験を基に説明した。虐待を受けたことから問題行動につながる子どもを支援するには、福祉施設などが「それぞれの専門性を生かしてつながる」「一生つながる」ことなどが重要だと指摘。「難しいことだが、そこを目指していかなければならない」と締めくくった。

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