「数も大きさもこの時期では上々」 解禁前にアユ試し釣り

釣り上がったアユを手にする木藤代表理事会長 =愛川町半原の相模川漁業協同組合連合会事務所

 6月1日のアユ釣り解禁を前に、相模川漁業協同組合連合会(木藤照雄代表理事会長)は25日、相模川、中津川などの8カ所でアユの試し釣りを行った。会員約30人が午前8時ごろから川に入り、体長約8~18センチのアユ300匹ほどを釣り上げた。相模川水系のアユの遡上(そじょう)数は今月20日時点で約480万匹。

 愛川町半原の同漁連事務所前で行われた報告会で、木藤会長は「われわれが目指すのは、相模川水系の遺伝子を持った資源の保護。次期資源の獲得ということで、天然のアユを大事にし、後世に伝えていきたい」と述べた。

 同漁連は、春に相模湾で捕ったアユを育成し、大量に放流する取り組みを行っている。相模湾産のアユを親魚として人工交配3世代目までのアユを放流し、大規模なアユ産卵場を造成。アユを食べるカワウの撃退、外来魚の駆除も進めている。

 そのため、昨年は過去最多の約4600万匹が遡上した。今年減少したのはアユの遡上時期に当たる3月以降に晴れの日が続き、河川の水量が減少した影響とみられる。漁連によると、アユは川の水量が増えると上流に向けて遡上する性質がある。そのため遡上は遅れているが、今後、夏に向けて川の水温が上がり、餌となる珪藻(けいそう)が育ち、水量が増えれば釣果は期待できる。

 釣り上げられたアユを前に、木藤会長は「数も大きさも、この時期としては上々。水温が上がっていけば、今シーズンも期待できる。色や引きの強さなど、天然アユの素晴らしさを堪能してほしい」と話した。アユ釣りは6月1日から10月14日まで楽しめる。

© 株式会社神奈川新聞社