【「白い巨塔」連載】満島真之介にとっての平成は“仕込み期間”!? 令和のチャンプルーはどう花開くのか!!《最終夜》

【「白い巨塔」連載】満島真之介にとっての平成は“仕込み期間”!? 令和のチャンプルーはどう花開くのか!!《最終夜》

テレビ朝日の開局60周年を記念して、山崎豊子原作の大作「白い巨塔」が、5夜連続ドラマで放送中。これまで何度も実写化を果たしてきた不朽の名作が、装いも新たに豪華キャスト陣で現代版としてよみがえりました。インターネットTVガイドでの5回連続インタビューも、ついに最終回。本日は、財前五郎(岡田准一)不在の際に佐々木庸平(柳葉敏郎)の担当医を務め、大きな葛藤の中で揺れ動く医局員・柳原雅博を演じた、満島真之介さんへインタビュー! 出演を受けての心境や、演じるキャラクター、これからの展望についてなど深くお届けいたします!

──今回「白い巨塔」に出演する率直な感想をお聞かせください。

「これまで描かれてきた数々の作品やドラマの中でも、題名を聞いただけでイメージができてしまう世界ってあまりない気がしているんですね。その中でまた新たに鶴橋康夫監督率いるチームが『白い巨塔』を描くというお話を伺った時は、喜びでも責任重大という感じでもなく、夢見心地な気分でした(笑)。すごく不思議なことに、爆発的な何かを感じたということではなく、すっと入ってきたんです。現代の医療の世界観で、人間の本質を描くということを聞いて、今やるということに大きなメッセージがあるんじゃないかと感じることができたことは大きかったと思います。ドラマが好きだとか、医療ものが好きだ、とかそういうことではなく。本質的で、普遍的なものを作り上げていく現場に呼んでいただけたことは、非常に光栄でしたね」

──満島さんは視聴者目線だと、天真らんまんなキャラクターに映ります。比較して今回演じられた柳原は真逆の人物像に感じましたが、いかがでしょう。

「人間みんなそうだと思うんですが、ライオンや動物ですら、ずっと狩りをしているわけではないじゃないですか。常におなかをすかせているわけではないし、いきり立っているわけでもない。時にはダラダラしていることや、泣いていることも、甘えていることもあって。でも、百獣の王ではあるんです。そういった側面は、誰にでもあると思うので、『もっとみんな出してもいいんじゃない?』と僕自身は思っています。明るいとか暗いとか、つらいとか楽だとか、そういった一つのことだけでは人間ってできてないと思って。その面白さというか、そこを存分に出せる人生を過ごせるってうれしいですし、喜びなので。隠す必要もなく、押さえる必要もないんです」

──深いですね…。柳原を通して感じたこと、学んだことはございますか?

「柳原は、医者としての喜びじゃないところで問題が起きていて。患者さんと向き合って『医者やってるな~』という実感や、患者さんからの『このお医者さん見てくれてるな』という信頼など、そういったシンプルな世界ではなくて、立ちはだかるのは人間社会の問題ですよね」

──なるほど。一人の青年の葛藤を描くことで、社会への問いかけを行なっているんですね。

「すごく向き合いづらい、実態のないものに振り回されていくという経験は誰にでもあると思います。大小問わず、みんなに葛藤があるはずなんです。そうして、楽しくても笑えなくなってしまったり、喜べなくなってしまったり、疑い深くなってしまったり。僕自身、そういうものをふと感じた瞬間がいっぱいあって。そんなタイミングで柳原という役が来た時に、何をしたらいいのかが分からなかったんですよ。医者をやるべきでもなければ、ただの若者というのも違うし。そこで今回思ったのが『僕はなんなんだろう』という、それだけ。医者だろうが患者だろうが、学生でも同じです。今回たまたま、浪速大学の医局員・柳原雅博だったというだけで、それよりも、ごく普遍的なものを託されたんだなと」

──役を作り込んでいくというよりも、むしろ外していくことで出来上がったキャラクターだったんですね。

「たくさんの人間ドラマを描かれてきた鶴橋監督や、岡田さんがいてくれたということが僕にとってはとてつもなく大きくて。僕が今ここにいるっていうのは、『頑張ってきたな』っていうのとは別に、シンプルにタイミングが来たなという思いもあって。“やらなきゃいけない、向き合わなきゃいけないものが来たんだ”という感覚ですよね。そうなってくると、演じる上で何を意識するか、という話ではなくて、取っ払うことをやっていく。“柳原になっていく”のではなく、人生の一部として地続きになっていて、全部が続いている感じです。その中での楽しい瞬間や、裁判だったりもその瞬間瞬間でしかなくて。でも、その瞬間に生まれてくる判断や、感覚、感情、反射みたいなものが人間にはあるんだ、というものを感じることもできる。正直何が正解で不正解かって、まったく分からないんですよ」

──かなり大きな役との出会いに感じます。

「みんな、正解は何かって求めすぎたり、焦りすぎているなと思っていて。そんなタイミングで柳原みたいな役と出会うと、なんでこれやってるんだっけっていう、これ誰なんだろうっていう単純な疑問にぶつかる瞬間があるんですよ。それは今回新しいなと思いました。もちろん自分を感じる瞬間もあったんですが、『これ、俺?』と疑問に思うような、本質的なところまでも入ってきちゃって。そこに神秘的なものを感じました」

──そんな柳原はどんな仕上がりになっているのでしょうか?

「出会いも、環境も、すべてが何か運命的なものでつながっていて、小さな幸せや小さな喜び、小さな悲しみで人生はでき上がっていて。今回はその一部を柳原として切り取られたみたいな感じです。なので、今回の柳原像っていうのは、今まで『白い巨塔』で描かれてきたものとはまったく違う気がしています。医者とか関係なく、一人の青年の苦悩や喜びもたくさんあるし、自分への自負もある。本当にすべてが詰まっています。それは誰にでもあてはまるもので、感情移入とまではいかなくても、みんなが自分自身を感じられるような役になったかなと思います。僕自身も楽しみですし、見返してみて何を思うのか、というのは興味がありますよね」

──5月30日に30歳を迎えられる、平成元年生まれの満島さんですが、平成を振り返ってみてどんな時代でしたか? また令和に向けて、財前や里見脩二(松山ケンイチ)のように成し遂げていきたいことはありますか?

「人生の仕込みでしたね、平成は(笑)。これからどういう料理になっていくか、どんなジャンルを作っていくかは分からないですけれども、仕込みはしました。下味をつけたり、切ったり、むいたり、そういうところは完了したなと思っています。ただ、何もまだ始まってはいないです。これから令和に向けてどういう花開き方をするか、沖縄でいうチャンプルーですよ」

──チャンプルー?

「何チャンプルーになるのか分からないですけど、そこがやっぱり楽しみですね。甘い食材や苦い食材、柔らかい、硬いなどいろんな材料がありますが、全部仕込みは完了しました。でもまだ営業は始まってなくて、それが平成だったなって。令和は何を注文されても大丈夫っていう感じになっていくんじゃないかな。料理に例えましたけど、『さぁ、いざ店舗を営業していこうか、人生を始めていこうか』という感じで、材料がないと開けないドアなんですよ、これから先は。だから今まで関わってくれた人々や、言葉、経験、愛情、逆に苦いこともつらいことも、それぞれに感謝できていることが、仕込みの完了なんだなと今気付きました(笑)」

──平成まるまるで仕込みなんですね…。令和の“開店”、楽しみにしています! それでは最後に、楽しみにしている視聴者の皆さまへメッセージをお願いします!

「単純にドラマ自体めちゃくちゃ面白いですよ。やっぱり鶴橋康夫監督はすごいです。見る人はそれこそ見る運命にあるんだと思います。また、僕の中で今回の『白い巨塔』は時期的にもそうなのかもしれませんが、ドラマを見る感覚以上にフラットな感覚で触れてほしいなって思ったんです。自分の人生の何かを見つけなくてもいいんですけど、それが何か未来につながっていくと思うし、視聴者の皆さんにとって見えてくる“何か”を僕も感じたいです。別にすぐじゃなくてもいいんです。10年後でも20年後でも、今回まいた種がどうやって返ってくるんだろうなって楽しみにしています」

──満島さん、ありがとうございました!

【プロフィール】


満島真之介(みつしま しんのすけ)
1989年5月30日生まれ、沖縄県出身。2010年、「おそるべき親たち」にて俳優デビュー。映画「風俗行ったら人生変わったwww」で映画初主演を果たし、ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~ 第2シリーズ」(13年/テレビ朝日系)や、「ボク、運命の人です」(17年/日本テレビ系)、「BG~身辺警護人~」(18年/テレビ朝日系)など、数々の話題作に出演。現在公開中の映画「キングダム」にも出演している。

【番組情報】


「テレビ朝日開局60周年記念 5夜連続ドラマスペシャル 山崎豊子 白い巨塔」
テレビ朝日系
5月26日 午後9:00~11:10

【プレゼント】


満島真之介のサイン入り生写真を2名様にプレゼント!

https://twitter.com/internettvg/status/1132451284399939587?s=21
さらに、ツイート内のリンクをクリックし、必要事項を入力してください。

●締め切り:2019年6月10日(月)正午

●発表方法:当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。あらかじめご了承ください。

テレビ朝日担当 I・S
撮影/尾崎篤志

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