空き家活用で居場所作り 横浜の母親グループ、寄付募る

「おもいやり隊」が多世代拠点に予定している民家の前に立つ(左から)根島さん、津ノ井さん、吉永さん=横浜市南区

 空き家を活用して子どもから高齢者まで多世代が集える居場所作りが、横浜市南区中村町で始まった。中心になっているのは、地元で子育て中の母親グループ「おもいやり隊」。10月の完全オープンを目指し、工事費用の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 おもいやり隊は2017年に発足。昨年2月から地元の市中村地域ケアプラザなどで、遠くまで買い物に行くことが難しい高齢者のために野菜やパンを売る「ママ・マルシェ」を開き、買い物の代行・配達なども手掛けている。

 居場所作りは活動当初からの目標。おもいやり隊の活動拠点としてマルシェを常設し、駄菓子、弁当やクレープなど軽食も販売する。交流場所となるカフェスペースも置き、子どもの学習支援などの活動も行う予定だ。代表の津ノ井美晴さん(37)は「休憩するだけでもいいし、いつでも気軽に立ち寄れる場所にしたい」と話す。

 条件に合った空き家を借り、横浜市の「ヨコハマ市民まち普請事業」にも認定。計画はとんとん拍子に進んだが、空き家の改修で壁にぶつかった。

 築57年と古く、耐震工事などが必要なことが分かった。工事はまち普請事業助成金の対象外のため地域住民らにも寄付を呼び掛けているが金額が大きく、一部をCFで募ることにした。

 おもいやり隊は、6月にNPO法人化する予定だ。今後は、子どもの預け場所などがないために思うように働けない母親を雇用する。居場所の運営と、住民が主体になって要支援者らに掃除や話し相手などの生活支援をする「訪問型サービスB」の事業に関わってもらうという。

 目標金額は180万円。津ノ井さんは「『助けたい』という気持ちから始めた、地域密着の活動。こういう団体が独り立ちする手助けをお願いしたい」とCFの協力を呼び掛ける。

 クラウドファンディングは、「レディーフォー」(https://readyfor.jp/)のサイトで6月28日まで実施している。

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