松本潤が北海道150年記念ドラマで「北海道を応援したい」。札幌で「永遠のニシパ」完成試写会

NHK総合で6月7日に放送される北海道150年記念ドラマ「永遠のニシパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎~」(午後7:30、北海道ローカル ※全国放送は7月15日午後7:30、BS4Kでも別途放送予定)の完成試写会がNHK札幌放送局で行われ、主人公・松浦武四郎を演じる松本潤と、NHK札幌放送局長の若泉久朗氏が出席した。

同ドラマは、幕末の蝦夷地を調査し、北海道の命名者となった松浦の知られざる格闘の人生を描くもので、松浦は「北海道150年という節目で制作され、北海道胆振東部地震の後で放送されることもあり、意義深いものになればと願っています。今なお大変な思いをされている方々の支えになるような、何か心に伝わるものがあればいいなと思います」と作品への思いを語った。

ドラマは昨年8月にクランクインし、沙流郡平取町や河東郡鹿追町など北海道各地で撮影が行われた。松本は「初日に現場へ行ったら、あいさつの後30分ぐらい山奥に移動して、ワンシーン目からアドベンチャーでした。大変でしたが、これから武四郎さんの歩いた過酷な足跡をたどるんだなぁと感じられたので、制作陣の“粋な計らい”と受け止めました(笑)」と撮影エピソードを披露。さらに、「北海道にはライブで毎年のように来ており、テレビ番組やCM撮影でいろいろな場所に行っていますが、初めて見るような雄大な景色にたくさん出会いました。山の中や川の中、雪原などハードな撮影も多かった分、北海道ならではの景色や動植物が映っていると思います」と見どころを語った。

ドラマでは、松浦が蝦夷地調査の中でアイヌ文化の豊かさやアイヌの人々の優しさに共感。さらに、あるコタン(集落)で出会ったアイヌの女性・リセ(深田恭子)と心を通わせる様子も描かれる。

アイヌ文化を学ぶため、平取町の二風谷アイヌ文化博物館を訪れたという松本は「自然と共生するというアイヌの自然観や死生観が印象的で、厳しさの中に優しさを感じました」と説明。アイヌ語を話すシーンも多く、その苦労を問われると「普段のイントネーションと違うので、セリフを丸暗記して言語指導の方に教わりながら演技しました。アイヌ語のリズムは独特ですが、耳なじみが良く、ずっと聴いていると心地よくなる気がします」と笑顔を見せた。

主人公のモデルになった松浦武四郎は三重県松阪市出身。生涯6回にわたって蝦夷地を調査し、膨大なアイヌ語の地名を記した初めての詳細な地図を刊行。明治維新に際しては、新政府による北海道への11国86郡の設定にも携わったという実在の人物だ。

そんな松浦像について、松本は「一言でいえば、圧倒的な熱量を持った人。広大な北海道を自分の足で測量し、アイヌの人々と交流を深めていった彼の取り組みを知れば知るほど、よほどの情熱がないとそうした偉業はできないと思いました」と語る。実在の人物を演じるに当たり、北海道博物館で開催されていた「松浦武四郎展」にも足を運んだそうで、「当時としては突飛な勾玉の首飾りをしたり、コレクターとしての側面も持つ独創的な方だと知りました。幕末に日本をどうしたいのか強く考えた一人でもあり、そうした熱量のある血の通った人物として表現できればと演じました」と振り返った。

若泉局長は「松本さんは本格的な時代劇初挑戦ということで、大変だったと思いますが頑張ってくださいました。幕末の蝦夷地を舞台に、松浦武四郎とアイヌの方々とのヒューマンな交流を描くドラマは今までほとんどなく、北海道の大自然や知られざる歴史を全国の方に知っていただきたいと思います」と話した。

なお、NHK総合では5月31日にスペシャル番組「まもなく放送!北海道150年記念ドラマ『永遠のニシパ』」(午後8:00、北海道ローカル)も放送する。

© 株式会社東京ニュース通信社