ヒバクシャ国際署名3年の集い 50万人達成へ活動推進

核情勢について講演する鈴木副センター長=長崎市魚の町、市民会館

 核兵器禁止条約の制定を全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」の活動開始3周年記念の集いが26日、長崎市内であった。「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる長崎県民の会」が主催し、約100人が出席。同会が目標として掲げる50万人の署名達成に向け活動を進めることを確認した。

 署名活動は日本原水爆被害者団体協議会が2016年4月に始め、20年までに世界中で数億人分を集め国連に届けることを目指している。

 集いでは、田上富久市長が「市民社会で核兵器がいらないという意思をぶれずに示していくことが大事」とあいさつ。県民の会の田中重光共同代表は米国が臨界前核実験を2月に実施したことに触れ「怒りを力に変えて被爆県として目標の署名数を達成したい」と決意を述べた。

 長崎大核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎副センター長が核情勢について講演。トランプ政権誕生や北朝鮮問題などの影響で「核の勢いは増している」と指摘。核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委について「NPTの重要性は確認されたが、核兵器国と非核兵器国の溝は深まっているように感じる。NPT外でも核軍縮・不拡散の努力を続けていかなければならない」と話した。

 同会は集い終了後、同市浜町のアーケードで署名活動を実施した。

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