ピレリ「レースの決定的ポイントはハミルトンのタイヤマネージメント能力」

2019 モナコグランプリ 決勝

2019年5月26日、モナコ

 優勝したルイス・ハミルトンは、「これまでで最もハードなレースだった」とコメントしました。ソフトでスタートしたハミルトンは、セーフティーカー導入周回中の11周目にミディアムへ交換する1ストップ戦略をとりました。その後、78周のフィニッシュまで、より耐久性の高いハードタイヤで走行するライバルに猛追されながら、終始ミディアムでのペースコントロールを余儀なくされました。

■キーポイント

・フェラーリのシャルル・ルクレールは、後方のスタートからの追い上げを計り、ライバルのマシンに接触しました。この影響によるデブリを取り除くために、11周目にセーフティカーが導入されました。上位勢の多くが、このセーフティカー導入周回中にピットストップをおこないました。

・トップ走行中のハミルトンは、ミディアムタイヤへ交換しました。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、同じタイミングでハードタイヤへ交換するピットストップで2位へ浮上しましたが、アンセーフリリースによる5秒加算ペナルティーを科されました。

・3位を獲得したメルセデスのバルテリ・ボッタスは、1回目のピットストップ時のフェルスタッペンとの接触によるホイールダメージにより、セーフティカー導入周回中に2回目のピットストップを強いられました。

・ハミルトンは、フェルスタッペンに猛追されながら、ミディアムタイヤのライフを最大限にすべく、ペースをマネージメントしました。

・レッドブルのピエール・ガスリーは、5位のままポジションをおとすことなく、終盤にソフトタイヤへ交換し、ファステストラップポイントを獲得しました。

■各コンパウンドのパフォーマンス

・ハードC3:ハードは、ハミルトンを除く表彰台ドライバーに使用され、性能と耐久性の良好なバランスを示し、長い第2スティントの最適な選択となりました。

・ミディアムC4:ハミルトンがレースの大半で使用したミディアムは、フロントにグレイニングが発生しつつも、ライバルの追い上げを抑えるリアの強力なトラクションを維持していました。

・ソフトC5:大半のドライバーがソフトタイヤでスタートしました。なかでも、ハースのロマン・グロージャンは、ソフトでのオープニングスティントで50周を走行しました。

ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント

「不安定な天候状態の下、レースの大半でハミルトンとフェルスタッペンとの争いが展開されるなど、スリリングなグランプリがみられました。ハミルトンとフェルスタッペンは僅差であったため、終盤の残り数周の時点では接触も発生してしまいました」

「ハミルトンは、セーフティカー導入周回中にミディアムへ交換するピットストップをおこない、ライバルたちよりも柔らかいこのコンパウンドを非常に効果的にマネージメントし、レースの残り66周を走行してフィニッシュしました。この点が、レースの決定的なポイントとなりました」

「フェラーリは、ベッテルにハードタイヤを装着させる戦略で表彰台を獲得しました。優勝へ導いたハミルトンのタイヤ管理能力を、ニキ・ラウダも誇りに思っていることでしょう」

2019年F1第6戦モナコGP レースインフォグラフィックス
2019年F1第6戦モナコGP レースインフォグラフィックス

■コンパウンド毎のラップタイム上位:

・ハードタイヤ

バルテリ・ボッタス:1’15.163
ニコ・ヒュルケンベルグ:1’16.276
ランス・ストロール:1’16.379

・ミディアムタイヤ

アレクサンダー・アルボン:1’15.607
カルロス・サインツJr.:1’15.891
ダニエル・リカルド:1’15.979

・ソフトタイヤ

ピエール・ガスリー:1’14.279
バルテリ・ボッタス:1’16.146
ルイス・ハミルトン:1’16.167

■最長スティント

ハードC3:ニコ・ヒュルケンベルグ 67Laps
ミディアムC4:ダニエル・リカルド、ルイス・ハミルトン 66Laps
ソフトC5:ロマン・グロージャン 50Laps

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