地域おこし協力隊員年々増加 任期終了後の定住課題に

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和歌山県内地域おこし協力隊10年の推移

 都市部の若者が地方に移住して活性化に取り組む「地域おこし協力隊」が創設11年目に突入した。和歌山県内では2018年度に54人が活動。15年度の3倍に増えた。今後任期(最長3年)を終える隊員が増える中、どれだけ定住につながるかが課題となっている。

 協力隊は地方への人の流れをつくろうと、総務省が09年度に創設。隊員1人につき年間最大400万円の特別交付税が受け入れ自治体に交付される。隊員は任期終了後の定住を視野に、特産品の開発や地域行事の応援などに取り組む。

 県内では09年度に1自治体2人でスタート。14年度までは1桁台が続いたが、15年度に8自治体18人、16年度には13自治体41人と急増。18年度は半数以上の18自治体にまで広がった。

 6人の隊員がいる田辺市は、16年度から導入した。「初代」隊員が本年度中に任期終了を迎える。

 大阪府出身の河原田憲司さん(41)は16年10月に着任。65歳以上の高齢者の割合が半数を超える「限界集落」、同市竹ノ平に家族3人で移住した。住民団体「三川元気夢来(げんきむら)プロジェクト」の一員として、団体が市街地で営む産直店を手伝う。

 県によると、隊員は任期終了後、6割程度が定住している。しかし、過疎地では職が少ない。誰もが事業を継続できるとは限らない。鍵を握るのは起業だという。

 元隊員(16年11月~17年11月)で、いまは田辺市中辺路町野中でゲストハウスを運営する宮原正大さん(43)は「隊員は今の活動をしながら、生業を見つけることが大事。終了1年前には明確なビジョンを持っておきたい」と助言。「経験からいえば、地域に生きる上での指導者がいると助かる。自分の人生を大事にしてほしい」とエールを送る。