保育園・学校に埋めた放射能汚染土の移設を 横浜市に要望書、署名も提出

市長あての要望書を提出する中井共同代表(手前右から2人目)ら=横浜市役所

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故後、放射性物質に汚染された土壌が横浜市内の保育園のうち少なくとも300園と、市立小中学校4校の敷地内に埋められたままとなっており、この汚染土を掘り起こし北部汚泥資源化センター(同市鶴見区)に移設するよう求め、市民団体「神奈川・子どもを守りたい」は27日、林文子市長あてに要望書を提出した。市民などの署名約5400筆を添えた。同団体の中井美和子共同代表は、「学校によっては汚染土の埋設が引き継がれておらず、存在を知らなかった」とし、市の情報公開と対応を求めている。

 原発事故後、汚染土は市内の学校や保育園などに保管され、2017年3月に同センターに移設された。だが、いまだに多くの保育園や一部小中学校では、埋設されたまま放置されている状態だ。埋設は汚染土を10センチの土で覆う方法で行われており、埋められたままの学校を視察した同団体は「埋められた正確な場所が分からなくなっている例もあった」と明かす。

 同団体は「年齢の低い子どもほど放射線の影響は大きい」として、汚染土の移設を求める署名活動を18年度に始めた。横須賀市では市立小中学校、高校、特別支援学校43校の敷地に埋設していた放射性汚染土の下町浄化センター(同市三春町)への移設を、18年3月に完了している。このため、要望では「横須賀市と同様、汚染土をすべて掘り起こし、センターへの移設を求める」としている。

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