横浜IR「経済効果1.6兆円」 市が12事業者の構想案公表、山下ふ頭を立地に

 IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の誘致検討を巡り、横浜市は27日、事業者から募った構想案を公表した。提出した国内外12事業者・グループ全てが山下ふ頭(同市中区)を立地場所に想定。開業に伴う経済波及効果を最大で年間約1兆6500億円と見込んだ。市は誘致について「白紙」の立場を貫いており、今回の構想案も「判断材料の一つ」とした。

 27日の政策・総務・財政委員会で、市が構想案などをまとめた報告書を示した。

 立地場所について、全事業者が山下ふ頭を選んだ。市は募集にあたって特定しなかったが、事業者は47ヘクタールという広大な敷地や、羽田空港などからの利便性の高さを理由に挙げた。

 売り上げ見込みや施設の延べ床面積、経済への波及効果、市の増収効果はいずれも、事業者の意向で上限と下限での表記になった。売り上げが3500億~8800億円、面積が67~150ヘクタール、波及効果が年間7700億~1兆6500億円、増収効果が年間600億~1400億円。

 投資額は6200億~1兆3千億円だが、市によると、公表しないものの1兆3千億円を超える事業者もいた。

 市は「観光や地域経済の振興などの面から、これまでにない経済的、社会的効果が見込まれることが示された」と説明。一方、今後示される政省令などを踏まえて情報の精度を高めるとともに、ギャンブル依存症など懸念される事項の対策を検証するとした。市は6月下旬、市民向けに報告書の内容を説明する予定。

 12者のうち、3者は事業者名を非公表とした。9者は以下の通り。

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